(ブルームバーグ):配車サービスの米ウーバー・テクノロジーズが先週発表した決算は総じて低調と受け止められ、年初からの株安に拍車がかかった。手元資金は健全で、主力の米国市場を中心に需要も堅調だったが、ウォール街の利益予想には届かなかった。最大の長期的な懸念であるロボタクシーを巡る不安を払拭するには至っていない。
ウーバーは昨年、世界のロボタクシー各社と相次ぎ提携し、数年以内に配車サービスでの利用を可能にする計画を進めてきた。一方、米アルファベット傘下の自動運転部門ウェイモによる積極的な事業拡大が、ウーバーの将来に対する懸念を誘っている。ウェイモはフェニックス、オースティン、アトランタでウーバーと協業しているが、自社の拡大計画の一環として新たな提携は公表していない。
市場の懸念に対し、ウーバーは四半期決算資料11ページのおおよそ半分にあたる約2000語を割いて反論。ウェイモやテスラなどに対する競争力を巡り弱気の投資家が抱える「誤解」を解くことに注力した。
ウェイモの名指しは避けつつも、同社のマイナス面を強調。両社が協業するオースティンやアトランタの方が、ウェイモが単独で運営しウーバーと競合する他の都市よりも、乗車回数が多く待ち時間も短いとするデータを示した。
また、ウェイモのサービスが比較的裕福でない地域では限定的であることや主要な配車市場での規制面の追い風不足、昨年12月のサンフランシスコ停電時のトラブルなども障害として挙げた。
ロボタクシーを巡り主導権を強めようとする姿勢は、人事にも表れている。ウーバーは自動運転車に積極的なバラジ・クリシュナムルティ氏を最高財務責任者(CFO)に昇格させた。中核のライドシェア・配送事業の財務を統括していた前職では、ソーシャルメディア上でウーバーの自動運転戦略を擁護する発信を繰り返し、ウォール街の弱気派に反論してきた。
ウーバーや規模で劣る競合のリフトは、データ主導のプラットフォームやデータ収集拠点、ロボタクシーの商業パートナーとしての価値を積極的に売り込んでいる。しかし、それらのサービスが直接的な総取扱高や利益にどれだけ結び付いているかという点では、現時点で示せる実績は多くない。楽観論の多くは、まだ本格始動も規模拡大も収益化もしていない自動運転に関するパートナーシップや車両供給を前提としており、これらの実現は数年先と見込まれている。
ウェドブッシュのアナリストは、決算後も懐疑的な姿勢を崩していない。「ウェイモは年末までに米国におけるウーバーの上位20市場の多くに参入する可能性が高い。市場は自動運転車が(ウーバーとリフトに)及ぼし得る最終価値へのマイナスの影響を過小評価している」との見方を示した。
筆者が昨年書いたように、上場企業となったウーバーはこの転換期を慎重に乗り切る必要がある。創業者トラビス・カラニック氏の体制時より手元資金は大幅に増えたが、財務規律を保ちながら課題に対処することが市場から求められている。
新CFOとして初めて公に発言したクリシュナムルティ氏は、好調なフリーキャッシュフロー創出により、自動運転戦略の推進や将来的な買収機会への「投資余地が十分にある」と説明した。
フリーキャッシュフローは前年同月比で40%以上増加し、約100億ドル(約1兆5200億円)に達している。クリシュナムルティ氏は株主還元に回せる資金も十分に残ると述べた。同社は昨年夏に200億ドルの自社株買いを発表し、継続的な資本還元へのコミットメントを示した。
クリシュナムルティ氏は「これらはわれわれにとってトレードオフではない。すべてを並行して実施することが可能だ」と述べている。
原題:Uber Addresses the Bears With a Robotaxi Bull: Tech In Depth(抜粋)
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