(ブルームバーグ):JPモルガン・チェースの年次電子取引調査によると、世界的な大国の対立や人工知能(AI)の進展が、トレーダーの今後1年間の最大の関心事となっている。
調査によると、地政学的緊張が金融市場に最大の影響を与えると考える回答者の割合は、2025年から倍増し、41%に達した。AIの進歩などの技術革新が19%と続き、3位は金融政策で13%だった。調査は1月、世界中の機関投資家、プロトレーダー955人を対象に行われた。
JPモルガンに新設されたクオンツ取引・リサーチ部門責任者のチー・ンゼル氏は「際立っているのは、新興および継続的な地政学的緊張への注目だ。これは市場が現状の迅速な解決を見込めないことを示唆している」と指摘した。また、この傾向が「継続的な変動性への懸念と結びついている。顧客が最も懸念しているのは、在庫処分に伴う予想コストだ」と述べた。
米国によるベネズエラ大統領の一方的な拘束や、トランプ米政権によるデンマーク自治領グリーンランドの支配権獲得を求める動きは、年明けから投資家を驚かせた。ウクライナで続く戦争、イスラエルとイスラム主義組織ハマス間の不安定な停戦、米中貿易摩擦の継続といった、既にある地政学的問題に上乗せされた格好だ。
こうした中で、あらゆる資産クラスの投資家が戦略を調整している。新興国ファンドは、トランプ政権が中南米での影響力拡大を図る中、同政権と協調するラテンアメリカ諸国へ資金を集中させている。一方でドルは、グリーンランドの問題に絡み、1月に米国が欧州産品へ追加関税を課す考えを示したことを受け、下落した。
貴金属も激しく変動している。投機的な需要で一時は記録的高値まで急騰したが、1月末からは減速している。銀は史上最大の日次下落、金も2013年以来の急落を見せた。
ンゼル氏は、変動の背景に、地政学的緊張の高まりと関税の可能性に加え、「暗号資産や法定通貨と比べた貴金属の価値保存手段としての役割」を巡る広範な議論があるとみている。同氏によると、JPモルガンでも、最近の変動期に貴金属取引の顧客取引量が過去最高となった。
原題:Geopolitics And AI to Fuel Volatility in 2026, JPMorgan Finds(抜粋)
もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
©2026 Bloomberg L.P.