(ブルームバーグ):平日の朝にお届けしている「今朝の5本」に加え、今週から週末版として「1週間の焦点を押さえて先を見通すニュース5本」を新たにスタートします。
日々ニュースをウオッチしている方には1週間の「文脈」を整理する振り返りとして、見逃してしまった方にはこれだけ押さえておけば来週の動きに「後れを取らない」──。そんな話題を5本、デジタルエディターが厳選してお届けします。
1. 国債暴落の余波続く
日本国債の暴落が引き起こした騒ぎは、今週も世界のマーケットに影を落としました。
日本国債を売ることは、投資家の間で長らく恐れられてきました。金利が上がると賭けては、日銀の低金利政策に阻まれて大損してきた投資家たちの無残な歴史があります。
しかし今週、一部の超長期債が額面の50%を割り込むという異常事態に。市場を鎮める「最後の防波堤」として、約277兆円を運用する世界最大級の年金基金、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が、米国債を売って日本国債を買うという資産配分の見直しに動くとの観測も浮上し始めました。
- 日本国債の暴落、世界に波及-利回り急上昇でキャリートレードに異変
- GPIFに運用見直し観測、日本国債市場の混乱で-円と米国債に波及も
香港でブルームバーグテレビジョンのインタビューに応じた米ゴールドマン・サックス・グループのデービッド・ソロモン最高経営責任者(CEO)は、日本に過去30年なかった「リスクを取る文化」が芽生えつつあると語りました。(ここから動画を視聴)
2. 幻の日米協調介入
今週、マーケットで最も注目を集めたのは、為替をめぐる「日米の協調介入」という見えないカードを巡る心理戦でした。
高市早苗首相の「打つべき手は打つ」という警告と呼応するように、ニューヨーク連銀が銀行へレートを照会する「レートチェック」を実施したとの観測が浮上。市場は一気に「協調介入」の期待に沸きました。
ベッセント米財務長官が後に介入を否定し、円相場は再び押し戻されましたが、当局の「沈黙戦略」は投機筋に強い疑心暗鬼を植え付けました。
衆院選を前に、日本当局がどこまで「単独」で投機に対抗できるのか、水面下の攻防が続いています。
- ベッセント氏が「強いドル政策」強調、円買い介入観測を否定-円急落
- 為替介入、日本単独での効果に疑問-米財務長官の協調観測否定で
3. 中国軍で異例の粛清

中国人民解放軍の最高意思決定機関が、今や習近平国家主席を含めてわずか2人にまで縮小するという、異常事態が続いています。
かつての側近であり、制服組トップだった張又侠氏までもが調査対象となり、核兵器機密の米国漏えい疑惑まで浮上。
習氏が求める「2027年までの世界水準の軍隊」という目標の裏で、指導部の刷新が事実上の「空洞化」を招いています。
- 中国軍で何が起きているのか-忠誠心試す習氏、異例の粛清続ける
政治的忠誠心の過度な検証は、中国軍の指揮系統にどのような影響を与えるのか。アジアの安全保障を揺るがす深層に迫ります。
4. AI投資の「審判」

今週のテック業界は、決算発表を通じてAIへの巨額投資に対する投資家の「忍耐」が試されました。
マイクロソフトが時価総額3570億ドル(約54兆円)を消失するという、米史上2番目の規模の暴落を記録。さらに、かつてAI需要の期待で急騰したオラクルも、ピーク時から時価総額が半減するなど、「AIは本当に稼げるのか」という投資家の厳しい審判が下っています。
- マイクロソフト、時価総額3570億ドル消失-米史上2番目の規模
- ザッカーバーグ氏が再び挑む大勝負、過去の失敗を背負いAIに賭ける
メタが設備投資を1300億ドル超に積み増し、アップルが部材コスト高に苦慮する中、巨額の資金が巡り合う「AI経済圏」の持続性に、かつてない疑念の目が向けられています
5. 見えない手錠の全貌
今、インドを中心に爆発的に広がっているのが「デジタル逮捕」という新たな詐欺です。
- インドで横行する国際犯罪「デジタル逮捕」の闇-24時間監視の手口
スマホ越しに警察官を装い、被害者を24時間ビデオ監視下におき、「保釈されるまではカメラの前を離れるな」と命じて財産を奪っていく。この手口は従来の詐欺とは一線を画す、心理的・技術的な監獄を作り出します。グローバルな犯罪ネットワークの巧妙な手口を、1万5000字を超えるリポートで解き明かします。
今週の数字:金が刻んだ「5500ドル」

今週、金(ゴールド)価格が史上初めて1オンス=5500ドルを突破しました。
これは単なる価格上昇ではなく、投資家が法定通貨や国債への不信感から「目減りしない資産」へ逃避する「ディベースメント(通貨価値下落)取引」の象徴です。
その後、「統計的に見て、極めて異常な買われ過ぎ状態」に達したことで利益確定の急落を招きましたが、金の「避難先」としての地位はかつてないほど高まっています。
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30日に発表された2025年10ー12月期(第3四半期)の決算で、三井住友FGは純利益で12%増と、「金利のある世界」の追い風を受けた。一方で「預金減少時代」という構造変化に直面する日本のメガバンクの岐路についても、ぜひ併せてご覧ください。
充実した週末をお過ごしください。月曜の朝、また「今朝の5本」でお会いしましょう。
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