トランプ米大統領から次期連邦準備制度理事会(FRB)議長候補に選ばれたケビン・ウォーシュ氏。米経済に影響する政策に関する最近のコメントを以下にまとめた。

利下げ

ウォーシュ氏は数カ月前から政策金利の引き下げを支持しており、強さを増した経済成長は生産性のブームと結びついているため、インフレを促進しないと主張している。

  • 昨年7月にFoxニュースとのインタビューで、次回の連邦公開市場委員会(FOMC)会合に出席すると仮定してどのように投票するか問われた際、ウォーシュ氏は「私は利下げに賛成票を投じる。新しい話ではない。私はしばらく前からそう考えている」と述べた。

ウォーシュ氏は11月、人工知能(AI)はイノベーションのスピードを「顕著に」変えており、米国が他の先進国よりも速いペースで成長することを可能にしていると、米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)に寄稿。従って政策当局はインフレを引き起こすことなく金利を引き下げることが可能になると論じた。

  • 「ウォール街とシリコンバレーは活況を呈しており、米国の労働者はついに実質可処分所得の増加という恩恵を受けられるようになった。とはいえ米国経済という巨艦がもたらす恩恵はまだ、完全には実現されていない。その主な障害の一つがFRBだ」と記した。

バランスシート

ウォーシュ氏はかねて、2008年の金融危機後や新型コロナ禍初期に景気刺激策として実施された複数の国債購入プログラムを批判してきた。それよりも財務省とFRBの間で新たな協定を結び、中央銀行が資産を購入・売却する際の意図を投資家により明確に伝えるべきだと主張している。

  • 「FRBの肥大化したバランスシートは、過去の危機時に大企業を支援するために設計されたものであり、大幅な縮小が可能だ。その余力は低金利という形で家計や中小企業の支援に再配分できる」と、WSJに掲載された論説で述べた。
  • 昨年7月には経済専門局CNBCとのインタビューで「1951年のように財務省とFRBが新たな協定を結ぶ必要がある。当時も国家の債務が膨らみ、中央銀行が財務省と相反する方向で動く状況に陥っていた。今も同じ状態だ」と語った。「新たな協定によってFRB議長と財務長官は、市場に対して『FRBバランスシートの規模が目指すもの』を明瞭かつ慎重に説明できるようになる」とした。

レジームチェンジ

元FRB理事であるウォーシュ氏は、FRBの「レジームチェンジ」も繰り返し求めており、インフレが個人消費の増加によって引き起こされるという従来式の経済モデルは間違っていると指摘する。むしろ政府支出によって最終的に生じるマネーサプライの増加に焦点を絞る、マネタリズム的なアプローチを提唱している。

  • 「マクロ経済学を根本から見直す必要がある。つまりFRBが用いる中核的経済モデルを再考しなければならない。FRBが採用する中核的なインフレ理論は誤りだと私は考えており、見直しが必要だ」と、昨年10月にバロンズに語った。
  • ウォーシュ氏によると、FRBが経済データの解釈に使用するモデルは間違っている。「彼らはインフレが個人消費によって引き起こされると考えている。過剰な賃金上昇や消費の行き過ぎが原因と考えている」とウォーシュ氏は指摘。「私の見解は根本的に異なる。本来インフレとは政府による過剰な支出や行き過ぎた紙幣印刷で生じると私は考える」と述べた。

原題:Fed Pick Warsh on Lower Rates, Balance Sheet and ‘Regime Change’(抜粋)

--取材協力:Catarina Saraiva.

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