(ブルームバーグ):米アップルは、ハードウエア部門トップのジョン・ターナス氏の職務にデザイン分野を追加した。ティム・クック最高経営責任者(CEO)の後継候補としての位置づけを一段と固めた格好だ。
2011年からアップルを率い、昨年11月に65歳となったクック氏は年末、デザイン部門を統括する役割をターナス氏に任せたという。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
アップルにおいて、デザイン分野は特別な意味を持つ。ハードウエアとソフトウエア双方のデザインを統括する役割は、これまで一貫して上級幹部に委ねられてきた。スティーブ・ジョブズCEOの時代にさかのぼれば、製品の外観や使い勝手が同社の成功と密接に結び付いてきたことは明らかだ。
この役割は、ジョブズ氏の長年の盟友ジョナサン・アイブ氏が2019年に退社するまで担っていた。アイブ氏が一時的に職を離れた2015-17年には、クック氏自身がデザインを統括した。直近では、最高執行責任者(COO)を務め、クック氏の右腕とされてきたジェフ・ウィリアムズ氏が2025年末に退任するまでこの職に就いていた。
非公開情報であることを理由に匿名で語った関係者によると、ターナス氏は現在、経営チームにおいて全てのデザインを統括する「エグゼクティブ・スポンサー」と位置付けられている。
アップルの広報担当者はコメントを差し控えた。
ターナス氏の役割は拡大したが、アップル社内でクック氏が近く退任するという兆候はみられない。将来的にCEO職を退いたとしても、会長としてしばらくは経営に関与し続ける見通しだ。アップルは今月、取締役の定年とされる75歳を迎えたアート・レビンソン現会長が、2月の株主総会以降も同職を続けると株主に通知した。これは、少なくとも2027年までは会長交代が行われないことを示している。
ターナス氏を巡る今回の人事は、水面下で進められてきた。社内の組織図や対外的な開示資料では、アップルのデザインチームの責任者は引き続きクック氏に直接報告する体制となっている。関係者によると、クック氏自身がターナス氏にアップル内でより幅広い業務を経験させようとしているという。
ターナス氏は現在、ハードウエアエンジニアリング担当の上級副社長を務める。これまでもハードウエアを担当する工業デザインチームとは緊密に連携してきたが、直接デザインチームやソフトウエアのユーザーインターフェースを開発するチームを率いた経験はなかった。ブルームバーグ・ニュースは2024年に、ターナス氏がクック氏後任の最有力候補だと報じていた。
原題:Apple Expands Hardware Chief’s Role in Signal of CEO Candidacy(抜粋)
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