オランダのルッテ首相は、過去250年にわたった奴隷制について「人道に対する罪だった」と認め、政府を代表して正式に謝罪しました。
オランダ ルッテ首相
「本日、オランダ政府を代表し、国の過去の行為において奴隷とされた世界中の人々、そのために苦しみを味わった人々、その娘や息子たち、現在に至るまでの全ての子孫に対して謝罪します」
ルッテ首相は19日、オランダ・ハーグでの演説で「何世紀もの間、オランダの国家やその代表者は奴隷制を可能にし、そこから利益を得てきた」「奴隷制は人道に対する罪だったと明確な言葉で非難する」として、政府を代表し、謝罪しました。
AP通信によると、ルッテ首相は子孫への賠償金の支払いは否定していますが、奴隷制問題の教育などのため、2億ユーロ=およそ290億円の基金を創設する予定です。
オランダでは、2020年にアメリカで黒人男性のジョージ・フロイドさんが白人警官に暴行されて死亡した事件の後に諮問委員会が設置されていて、今回の謝罪はその勧告を受けたものだということです。
オランダの奴隷貿易をめぐり、ロイター通信はおよそ250年間にわたって行われ、50万人以上のアフリカ人が主にブラジルやカリブ海地域に送られたほか、インドネシアでも多くの人が奴隷にされたとしています。

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