トランプ米大統領がイランと取引する国からの輸入に新たな関税を課すと発表し、中国との間で続いている1年間の貿易休戦が揺らぐ可能性がある。中国はイラン産原油の最も大きな買い手だ。

トランプ氏は12日、「イラン・イスラム共和国と取引を行ういかなる国も、米国との全ての商取引で25%の関税を支払うことになる」とSNSに投稿。新たな関税は「即時発効」としたが、対象範囲や具体的な実施方法については詳細を示さなかった。

この脅しは「ワシントンと北京の貿易休戦がいかに脆弱(ぜいじゃく)かを浮き彫りにしている」と元米通商交渉官で現在はアジア・ソサエティー政策研究所に所属するウェンディ・カトラー氏は指摘。

「たとえトランプ氏が実際にこの関税威嚇を実行しなくても、二国間関係や、米中が築こうとしてきた信頼にはすでに一定の損害が生じている」と語った。

イランでは当局の脅しや残忍な弾圧に屈せず、数十万人が街頭に繰り出している

トランプ氏と中国の習近平国家主席は昨年10月末、韓国での会談で貿易対立を巡る休戦に合意した。これにより、米国は中国産レアアース(希土類)へのアクセスを確保した。

ハイテク製品や軍事兵器の製造に不可欠なレアアースの生産は中国が支配しており、米中対立のさなかには中国が輸出規制を課していた。

ブルームバーグ・エコノミクス(BE)によると、10月の貿易休戦後、中国製品に対する米国の平均関税率は40.8%から30.8%に低下した。だが、新たな関税の脅しは、トランプ氏が今年4月の訪中を予定する中で、休戦合意を覆しかねない。

中国外務省の毛寧報道官は北京で13日開いた定例記者会見で、トランプ氏の関税発表について問われ、中国は自国の権利と利益を守ると述べた。

これに先立ち、ワシントンの中国大使館は香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)への声明で、トランプ氏の脅しを「強要」と非難し、中国政府は「正当な権利を守るため、あらゆる必要な措置を取る」と表明していた。

イランは長年、米中関係の火種となってきた。中東情勢を巡り、米中は正反対の立場を取っている。

米政府がイスラエルとサウジアラビアを支持する一方で、中国政府はイランに接近。イラン原油輸出の90%近くを引き取ることで、同国経済を支えている。習氏は昨年9月、北京でイランのペゼシュキアン大統領と会談し、貿易・投資関係を強化する考えを示した。

中国は2022年6月以降、公式にはイラン産原油を購入していないことになっている。だが、第三者のデータ提供会社やトレーダーによれば、米国の制裁にもかかわらず、イラン産原油の流れは堅調だ。

中国は日量100万バレル余りの輸入を支えるため、西側の管理外でサプライチェーンを構築。大幅な値引きで販売されるイラン産原油は、中国の民間精製部門にとって不可欠で、重要な燃料源となっている。

原油は通常、中国到着後に沖合の貯蔵施設で保管される。分析・船舶追跡会社のクプラーのデータによると、先月後半時点でその量は5000万バレル超と、約2年半ぶりの高水準に達していた。

トランプ、習両氏が握手(韓国での首脳会談後)

原題:Trump Risks Imploding China Trade Truce With Iran Tariff Vow (2)(抜粋)

(中国外務省報道官のコメントなどを追加して更新します)

--取材協力:Colum Murphy.

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