ホワイトハウスは、ベネズエラのマドゥロ大統領追放に向けた数カ月にわたる作戦立案にギャバード国家情報長官を関与させなかった。過去にギャバード氏がベネズエラへの軍事介入に反対したため、作戦を支持する意思があるか疑問が生じたからだと事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

関係者3人によると、ギャバード氏を会議から外す措置は政権内でも周知の事実で、一部のホワイトハウス職員の間では同氏の肩書である「Director of National Intelligence(国家情報長官)」の略称DNIを「Do Not Invite(招待するな)」とやゆする冗談まで交わされていた。ホワイトハウス当局者はこうした冗談の存在を否定した。

民主党下院議員だった2019年にギャバード氏は、米国はベネズエラへの「踏み込むべきではない」と発言しており、先月も米国を紛争に引き込もうとする「好戦派」を非難していた。

会議からの除外は、ギャバード氏の政権内での立ち位置を巡る長期にわたる緊張を改めて浮き彫りにした。トランプ大統領が新たな戦争の開始に反対する選挙運動を行ったにもかかわらず、マドゥロ氏の追放を決定したことは、MAGA(Make America Great Again=米国を再び偉大に)派だけでなく、政権チーム内にも亀裂を広げたことを鮮明にした。

バンス副大統領は、ギャバード氏や自身が作戦の計画から外されたとの見方を「誤りだ」と反論した。ホワイトハウスのチャン広報部長も「トランプ大統領はギャバード国家情報長官を全面的に信頼しており、彼女は素晴らしい仕事をしている」と述べた。

「われわれは同じチームの一員だ」とバンス氏は8日にホワイトハウスで記者団に述べ、「この作戦が本当に驚くべき点は、閣僚級や関連当局者のごく限られた範囲で運用し、極めて長期間にわたって極秘に保(たも)てたことだ」と語った。

情報当局高官は、ギャバード氏が完全に除外されたとの見方に反論し、作戦全体を情報面で貢献していたと説明した。国家情報長官室(ODNI)の報道官は、ギャバード氏が6日に自身のSNSに投稿した内容を引用し、作戦の「完璧な遂行」に関わった軍人らを称賛していたと述べた。

一方、ギャバード氏の個人アカウントでは1月1日に「感謝とアロハ、そして平和に満ちた気持ちでいる」と題して海辺での写真4枚を投稿していた。

元米空軍情報部大佐のセドリック・レイトン氏は、「DNIがこの種の作戦から完全に外れるのは極めて異例だ。特にベネズエラのような案件では」と指摘し、「ホワイトハウスが公開した作戦室の写真は、ギャバード氏の置かれた立場を象徴している」と述べた。

ホワイトハウスが発表した写真には、トランプ大統領がルビオ国務長官、ヘグセス国防長官、ラトクリフ中央情報局(CIA)長官、ミラー大統領自責補佐官らとともに臨時作戦室で事態を見守る様子が映っていたが、ギャバード氏の姿はなかった。

米紙ワシントン・ポストは8日、ギャバード氏が作戦の計画・実行にほとんど関与していなかったと報じた。

関係者によると、昨年夏、ギャバード氏がSNSに世界がかつてないほど核戦争に近づいていると警告する動画を投稿した際、トランプ氏は不快感を示したという。この動画は特定の国名に言及していなかったが、トランプ氏がイラン攻撃を命じる約1週間前に公開されていた。

原題:US Spy Chief Gabbard Excluded From Maduro Plan Over Past Views(抜粋)

--取材協力:Skylar Woodhouse、Jamie Tarabay.

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