(ブルームバーグ):米高級百貨店サックス・フィフス・アベニューの運営会社が資金繰り難で連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)適用申請に向かうとの見方が強まる中、アメリカン・エキスプレス(アメックス)のクレジットカード会員や他の買い物客が、ストアクレジット(利用額の払い戻し)やギフトカードを急いで使い切ろうとしている。
企業が破産申請した場合、ギフトカードを必ずしも有効とする義務はないことから、消費者が損をするケースもあるからだ。
フロリダ州マイアミ在住の旅行系コンテンツ制作者ジュリア・ポルテラさん(38)は、年会費895ドル(約14万円)のアメックス・プラチナカードを保有しており、サックスで50ドル分のクレジットが年2回受けられる特典を利用できる。
ポルテラさんは「誰もがサックスに行こうとしている。何が起こるか分からないからだ」と話した。
アメックスは数百万人規模の会員を抱えるが、プラチナカードの保有者数は非公表。同社は声明で、サックスの特典は現時点で変更されていないと説明した。
サックスを運営するサックス・グローバル・エンタープライゼズは声明で、顧客が通常通り買い物やポイントの獲得・利用ができるとの見解を示した。
ポルテラさんはサックスのギフトカード300ドル分も保有している。ポルテラさんが運営する旅行関連のWhatsAppグループでは、サックスの破産申請観測を巡り不安が広がっており、今のうちにギフトカードを使い切るべきだと助言する旅行インフルエンサーからのメッセージが相次いだという。
コロンビア大学の破産法専門家エドワード・モリソン教授は「昔からある銀行取り付け騒ぎを思い起こさせる」と指摘。「サックスは、ギフトカードによる商品引き換えが進むことで、資金流出の圧力を感じている可能性がある」と述べた。
モリソン氏によると、サックスにはブランドを守りギフトカードやクレジットを有効とする動機がある。サックスは破産裁判所で顧客を優先しようとするかもしれないが、債務再編を通じて事業継続を図る連邦破産法11条の適用申請後は、ギフトカード履行義務の有無は最終的には裁判所の判断に委ねられる。
「サックスが破産しても、ギフトカードなどを有効とする可能性は高い」と同氏は述べた上で、それでも「不確実性がある以上、顧客が今それらを使うのは合理的だ」と付け加えた。
原題:Holders of $895-a-Year AmEx Card Are Rushing to Spend Saks Perk(抜粋)
--取材協力:Paige Smith.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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