高市早苗首相は5日、米国が現職大統領を拘束したベネズエラ情勢に関し、民主主義の回復と安定化に向けた外交努力を進める考えを改めて示した。米国の軍事作戦の是非について見解表明は重ねて回避した。

伊勢神宮での年頭会見で語った。日本政府の立場について「一刻も早く、ベネズエラにおける民主主義が回復されることの重要性を訴えてきた」と説明。今後も自由、民主主義、法の支配といった基本的価値や原則を尊重する一貫した立場に基づき、主要7カ国(G7)などを含む関係国と緊密に連携しながら対応するとした。

ベネズエラ情勢に関し、首相は自身のX(旧ツイッター)でも4日、同様の見解を投稿していた。米の行為に対してはロシア、中国、ブラジルなどが厳しく非難しており、台湾を含む東アジア情勢にも影響を与えかねない。今春の訪米を計画している首相としては踏み込んだ発言を避け、国際社会の対応を見極める姿勢を示した形だ。

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

5日の日本市場は株式が大幅反発。前週末の米国市場で半導体関連を中心に株式が買われた流れを引き継いでいる。株高や為替の円安を受けて債券は下落し、新発10年債利回りは1999年以来の高水準を更新した。円の対ドル相場は午後3時55分現在、157円台前半で推移している。

与野党から懸念も

米の軍事作戦に対しては、与野党から懸念を示す声が出る一方、国際情勢の変化を慎重に分析すべきだとの意見も出ている。

自民党の小野寺五典安全保障調査会長(元防衛相)は4日、米の軍事作戦は「力による現状変更」そのものだとXに投稿。仮に中国が台湾に対して力による現状変更を試みた場合、米国が強く対抗してもトランプ政権では国際世論をまとめるのは難しく、「ますまず東アジアが不安定化する懸念がある」とした。

また、立憲民主党の野田佳彦代表も4日の年頭会見で、米の軍事作戦について「遺憾の意を表明せざるを得ない」と発言。ロシアがウクライナの侵略を正当化し、アジアでも「同じような衝動に駆られる国が出てくるかもしれない」とし、「世界にとって悪影響でしかない」とも述べた。

これに対し、自民の長島昭久前首相補佐官は4日、国際社会が法と秩序に基づいて整然と統治されているという「甘い考え」を「見直す必要があるのではないか」との見解をXで示した。米政権が作戦に踏み切った理由や戦略目的を把握することがより重要だとした。

他の首相発言

  • 政府経済見通しの物価上昇率は2026年はプラス1.9%と、物価安定目標である2%に近い
  • 日本維新の会との連立合意を基礎としつつ、国民民主党はじめとする野党にも協力呼び掛ける-国会運営
  • 野党にも参加を呼び掛け、社会保障と税の一体改革を議論する国民会議を今月立ち上げる
  • 国民に経済対策の効果を実感してもらうことが大切、目の前の課題に懸命に取り組んでいる-衆院解散問われ
  • 日中間は懸案と課題あるからこそ意思疎通が重要、国益の観点から適切に対応
  • 安全保障環境の変化がさまざまな分野で加速度的に生じている-3文書改定に議論積み上げる

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