米テスラの2025年販売台数は前年比8.6%減少し、電気自動車(EV)メーカー世界首位の座を中国の比亜迪(BYD)に明け渡した。テスラの2日発表によると、10-12月(第4四半期)の販売台数は16%減の41万8227台となり、ブルームバーグと同社が集計したアナリスト予想を下回った。

対照的に、BYDは10-12月も販売台数を伸ばし、25年のEV納車台数は226万台と、テスラの164万台を大幅に上回った。

2日の米株式市場でテスラ株は上昇する場面もあったが、勢いが続かず失速。一時3%を超える下落となった。

 

投資家はこのところ、テスラが世界の電気自動車(EV)市場で後退している点をあまり問題視していなかった。同社を率いるイーロン・マスク氏が、長年取り組んできたロボタクシー事業の進展を強調し、EV販売台数の低迷から市場の関心をそらしてきたためだ。

米国でのEV需要の先行きを踏まえると、ロボタクシー事業を軌道に乗せることは2026年に極めて重要となる。パイパー・サンドラーのアナリスト、アレクサンダー・ポッター氏は2日付の顧客向けリポートで「納車台数はもはやほとんど重要ではない」と指摘。2026年のテスラ株の動きについては、「人工知能(AI)やロボティクス分野での進展が左右するはずだ」との見方を示した。

 

2026年の見通し

ウォール街では、テスラの2026年EV販売見通しに対する懐疑的な見方が強まっている。2年前のこの時期には、アナリストは納車台数が300万台を超えると予想していたが、現在の平均予想は約180万台にまで低下した。

一方、蓄電池事業はこれまでで最も好調だ。10-12月の設置量は14.2ギガワット時と、前年同期の11ギガワット時から増加した。通年の設置量は約50%増の46.7ギガワット時に拡大した。

RBCキャピタル・マーケッツのトム・ナラヤン氏は「蓄電池の持続的な成長は、AIによる電力需要拡大という構造的な追い風を反映している」と指摘。データセンター建設や電力網の安定化を支えるため、追加的な蓄電需要が生じているという。

テスラは昨年、ハンドルのない自動運転車「サイバーキャブ」への期待感を演出する形で年を終えた。これまでに公開された試作車にはハンドルやペダルがなかったが、ロビン・デンホルム会長はブルームバーグ・ニュースとの10月末のインタビューで、量販に向けて車両設計を抜本的に見直す用意があることを明らかにした。

テスラは昨年12月に「モデルY」を使った無人走行の試験を開始したが、現時点で利用できるのはオースティンとサンフランシスコ湾岸地域で運行する少数の車両に限られ、いずれも前席には安全監視スタッフが同乗している。

それでも、マスク氏は今後1年に強気の姿勢を示している。同氏は今週、「2025年はテスラのチームが素晴らしい仕事をした。2026年は壮大な年になる」とXに投稿した。

原題:Tesla Surrenders EV Crown to BYD After 8.6% Sales Decline (1)(抜粋)

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