(ブルームバーグ):30日の日本市場は株式が下落。米国株が大型ハイテク株を中心に手じまい売りで下げたことが重しになっている。債券は小幅上昇、円の対ドル相場は156円台前半で小幅に下落している。
野村アセットマネジメントの石黒英之チーフ・ストラテジストは、米国では金や銀が急落してリスク資産の株もハイテク銘柄を中心に売られ、日本株も「人工知能(AI)関連などを中心に持ち高調整の売りが優勢になりやすい」と述べた。もっとも、売り一巡後はバリュー株を中心に買われ、底堅い展開になると予想していた。
石黒氏は2025年の日本株は主要国と比較して非常に上げが目立ったと指摘。経済と企業、政治が変わって割安修正が進む中、「26年もグローバルで選好されやすい状況が続く」とみる。
株式
株式は下落。TOPIX構成銘柄の6割超が下げ、商社や非鉄金属、医薬品、情報・通信が安い。
東海東京インテリジェンス・ラボの池本卓麻マーケットアナリストは「昨日はコモディティが良かったので住友金属鉱山などを買う動きがあったが、今日はその反動が出ている」と言う。
債券
債券は小幅上昇。米国市場で長期金利が低下した流れを引き継ぎ買いがやや優勢だ。
三井住友トラスト・アセットマネジメントの稲留克俊シニアストラテジストは「年内最終取引日で特段の材料がない中、年末特有の持ち高調整の買いが入れば底堅さが続く」と語った。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤原和也債券ストラテジストはリポートに、買い一巡後は「動きにくさを抱えながら取引を終えることになろう」と記述。長期金利は1998年以来27年ぶりに「心理的節目の2%を超えた状態で越年する公算が大きい」としている。
為替
円は対ドルで156円台前半で推移している。
野村証券の後藤祐二朗チーフ為替ストラテジストは、投資家も減っている上「年末年始に向けたポジション調整の影響もあってドル・円の上値は重い」と指摘し、156円前後で方向感の乏しい展開を見込む。
三井住友信託銀行ニューヨークグローバルマーケッツ部の山本威調査役は、流動性が低く方向感がない中、日本銀行のタカ派への警戒もありドルの上値は重いままだろうと話した。
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--取材協力:我妻綾.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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