30日の日本市場は中長期債が下落。新発2年債利回りは1996年以来、新発5年債利回りは2008年以来の高水準を更新した。財政拡張への不安や日本銀行の利上げがインフレの後手に回ることへの懸念が根強い。株式も下落。円の対ドル相場は156円近辺でもみ合った。

三井住友トラスト・アセットマネジメントの稲留克俊シニアストラテジストは「日銀の利上げが後手に回るビハインド・ザ・カーブを意識した売りが出たのかもしれない」と語る。財政拡張懸念と日銀が利上げペースを速めることへの懸念から、来年も金利は上昇方向とみており、長期金利は年末までに2.7%に上昇すると予想する。

25年の長期金利(新発10年債利回り)は日銀の利上げ観測や財政悪化懸念、超長期債の需給不安を背景に右肩上がりとなり、前年末の1.09%から約1%ポイント上昇した。2%を上回って年を越えるのは1998年以来27年ぶり。東証株価指数(TOPIX)は前年末比22%高で3年連続で上昇し、1989年末を上回って36年ぶりに年末の最高値を更新した。円の対ドル相場は前年末(157円20銭)から1円強高い。

債券

債券は中長期債が下落。前日の米長期金利が低下した流れで相場は高く始まった(金利は低下)が、買いが続かず失速した。超長期債は前日大きく売られた反動で買われ、利回り曲線はフラット(平たん)化した。

東海東京証券の佐野一彦チーフ債券ストラテジストは、流動性が乏しい中、投機筋の短期的な売りで下げたようだと指摘。中長期ゾーンを中心に「漫然とした弱気感がある」と述べた。

新発国債利回り(午後3時時点)

株式

株式は米国株が大型ハイテク株を中心に下げたことを受けて売りが先行した。

TOPIX構成銘柄の75%が下落。情報・通信や商社、非鉄金属が安い。高市早苗政権の経済政策や来期の業績改善への期待も根強く、日経平均はプラスに転じる場面もあった。

東海東京インテリジェンス・ラボの池本卓麻マーケットアナリストは、金や銀などの相場下落により、株式市場でも売りのムードと指摘。「昨日はコモディティが良かったので住友金属鉱山などを買う動きがあったが、今日はその反動が出ている」と話した。

野村アセットマネジメントの石黒英之チーフ・ストラテジストは、25年の日本株は主要先進国と比較して上げが目立ったと指摘。「TOPIXは最高値近辺で1年を終えられるのでムードは悪くない」とし、経済と企業、政治が変わって割安修正が進む中、26年も企業統治改革の進展などで自己資本利益率(ROE)の改善とそれに伴う株価純資産倍率(PBR)の上昇が続き、「グローバルで選好されやすい」とみる。

為替

円は対ドルで156円近辺でもみ合い。年末で市場参加者が少ない中、売り買いが交錯した。

三井住友銀行の鈴木浩史チーフ・為替ストラテジストは、アジアでの参加者が少ない上、材料にも欠けるため大きな動きは見られないと話す。「ウクライナ情勢に進展がないということや地政学的リスクなどがドル・円相場の頭を重くしている」と言う。年初にかけても円安展開は続くとみる一方で、「介入への警戒感もあり、ドル・円は160円で上値が抑えられる」と予想する。

この記事は一部にブルームバーグ・オートメーションを利用しています。

--取材協力:我妻綾.

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