(ブルームバーグ):トランプ米大統領は28日、ウクライナのゼレンスキー大統領との対面会談を前に、ロシアのプーチン大統領と「良好で非常に生産的な」電話会談を行ったと述べた。
ゼレンスキー大統領はトランプ大統領との会談で、4年近く続くロシアのウクライナ侵攻を終わらせるための合意を目指す。
トランプ氏は米東部時間午後1時半(日本時間29日午前3時半)頃にフロリダ州パームビーチの「マールアラーゴ」にゼレンスキー氏を迎えた。その際、記者団に対し「合意の基礎はできていると確信している」と述べ、「協議は最終段階にあると思う」と付け加えた。また、会談後にはプーチン氏および欧州の指導者と話すつもりだとも語った。
ゼレンスキー氏は、トランプ氏の招待に謝意を示し、ウクライナによる領土面での譲歩の可能性についても協議すると述べた。
ゼレンスキー大統領は27日、訪米の途中にカナダ東部ハリファクスでカーニー首相と会談。2人はその後、欧州諸国の首脳10人余り、北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長とのオンライン会議を通じて、トランプ氏との会談に備え意見調整を行った。
和平合意を目指しているトランプ氏は、ウクライナに対して譲歩の圧力を強める一方、ロシアには経済協力の約束を示唆してきた。ゼレンスキー氏は、和平交渉の余地を確保するため停戦に応じる用意があると繰り返し表明している。一方でプーチン氏は、合意に先立つ停戦には応じないとしている。
ロシアのラブロフ外相は28日に公開されたタス通信とのインタビューで、ウクライナとの和平協議について、「欧州と欧州連合(EU)が和平の主要な障害」だと発言。ウクライナと欧州は建設的な交渉に前向きな姿勢を示していないとの認識を示した。
ロシアは週末にかけてウクライナへの攻撃を続け、数百機の無人機やミサイルで首都キーウを空爆したほか、ウクライナ南東部のヘルソンに大規模な打撃を加えた。キーウでは停電が発生しており、エネルギーインフラの被害状況の確認と緊急復旧作業が進められている。
一方、ウクライナはロシア南部サマラ州にあるシズラン製油所を攻撃したと発表。同製油所への攻撃は今月に入って2度目で、火災が発生したという。ウクライナ軍参謀本部は被害の程度について、現在確認中だとテレグラムに投稿した。ブルームバーグはこの攻撃やその結果を独自には確認できていない。
ゼレンスキー氏は26日、ウクライナ東部のドンバス地域やザポリージャ原子力発電所の将来など、慎重を要する問題についてトランプ氏と話し合う意向だと記者団に述べた。20項目から成る包括的な和平案については、28日のトランプ氏との協議後にロシアと欧州からのインプットが必要になるとした。
トランプ大統領は26日に公開された米政治専門メディア、ポリティコとのインタビューで、ウクライナ・ロシア間の和平合意はどのようなものでも、自分が拒否権を持っていると主張。「私が承認するまで、ゼレンスキー氏には何もない」とトランプ氏は述べ、「どのような内容を提示してくるのか、見てみないと何とも言えない」と続けた。
原題:Trump Meets With Zelenskiy After ‘Productive’ Call With Putin(抜粋)
もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
©2025 Bloomberg L.P.