(ブルームバーグ):政府は26日、一般会計総額122兆3092億円の2026年度当初予算案を閣議決定した。政策経費の増加に加えて国債の利払い費などが押し上げ、過去最大を更新した。金利上昇が高市早苗首相が掲げる積極財政の足かせになっている。
歳出総額は前年度当初比で7兆1114億円増加した。主因はこのうち3兆579億円増えた国債費で、全体の伸びの4割超を占める。国債費は利払いや償還に充てる費用で、足元の金利上昇で大幅な増額となった。積極財政で政策経費を積み上げたというより、内情は借金の返済費用などがかさんだという方が近い。
利払い費算出の前提となる積算金利は、金利の上昇を踏まえて今年度の2.0%から3.0%に引き上げた。日銀の利上げや財政悪化懸念を背景に、長期金利は22日に一時2.1%と1999年2月以来の水準に達した。「金利のある世界」の到来で今後も多額の国債費の計上を迫られれば、積極財政の裁量が一段と狭まることになる。
明治安田総合研究所の小玉祐一フェローチーフエコノミストは、「国債の借り換えで金利が高いものに置き換わっていくにつれ、国債費の負担は重くなっていくことが予想される」と指摘。「予算編成はいっそう窮屈になっていく可能性が高い」との見方を示した。

国債費は過去最大の31兆2758億円となり、社会保障費の39兆559億円に次ぐ規模となった。社会保障は、診療報酬改定で医療従事者の人件費に充てる「本体」部分を3.09%と大幅に引き上げる。防衛力整備計画の対象経費は8兆8093億円を計上した。

歳入面では、税収が前年度から6兆円近く増加すると見込み、83兆7350億円とした。税外収入は8兆9902億円と想定する。財源不足を補う新規国債は前年度比3.3%増の29兆5840億円。
歳入全体に占める国債の比率は24.2%と、前年度の24.9%より低下した。高市首相は25日の政府与党政策懇談会で「財政規律にも配慮し、強い経済の実現と財政の持続可能性を両立させる予算案となった」と述べた。
片山さつき財務相は26日の閣議後会見で、この3年間は当初予算の対名目国内総生産(GDP)比がほとんど変わっていないと説明。その上で、今回の予算が「経済規模に相応しくない過大な数字ということは、どこから見ても言えない」と強調した。

財務省によると、税収・税外収入と国債費を除く歳出との収支を表す基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)は、国の一般会計当初予算ベースで28年ぶりに1兆3429億円の黒字となった。
これについて高市首相は26日夕、官邸で記者団に対し、「財政規律にも配慮し、強い経済の実現と財政の持続可能性を両立させる予算案ができた」との認識を示した。
石破茂前政権がまとめた骨太の方針では、25年度から26年度を通じて「可能な限り早期の国・地方を合わせたPB黒字化を目指す」と明記している。同方針のPBは国民経済計算(SNA)ベースで、内閣府が来年1月に公表する中長期試算で示される。

高市首相は「必要な予算は当初予算で積むことが必要」との方針を示している。25年度補正予算は総額18兆円超の規模に膨らんだ。首相は補正後の国債発行額が前年度を下回ったことをもって、財政規律に配慮したと説明した。
26年度補正予算を組む場合、同じロジックを使えば新規国債を10兆円超発行できることになる。大型補正予算が常態化する中で、従来の路線から脱却できるかが「責任ある積極財政」の試金石となる。

(高市首相の発言を追加して更新しました)
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