(ブルームバーグ):エジプト中央銀行は今年5回目となる利下げを実施した。予想外のインフレ鈍化が、金融緩和の再開に道を開いた。
中銀は25日、フェイスブック上の声明で、基準預金金利を1.0ポイント引き下げ20.0%に、貸出金利も同幅引き下げて21.0%とすると発表した。
ブルームバーグが実施したエコノミスト5人への調査では、利下げを予想したのは2人で他の3人は11月の据え置きが継続されると見ていた。
エジプトは2024年初頭に金利を過去最高水準まで引き上げ、通貨を約40%切り下げた。こうした措置は経済立て直しに向けた総額570億ドル(約8兆9200億円)の国際支援パッケージ獲得につながった。
今年に入って金融当局は段階的に利下げを進めている。海外のポートフォリオ投資にとって魅力的な金利を維持しながら、利払い負担を軽減できるバランスの取れた水準を模索している。
金融当局の主な目標は、23年9月に過去最高の38%を記録したインフレの抑制だ。国際通貨基金(IMF)の支援を受けた改革の一環として実施された燃料補助金の削減にもかかわらず、11月のヘッドラインインフレは12.3%に鈍化した。
エジプト中銀は別の声明で、26年に向けてインフレの緩和が続くとの見通しを示した一方、非食品部門のインフレや地政学的な緊張が引き続き圧力となると指摘した。
金融政策委員会は今回の利下げについて、「インフレ期待を定着させ、ディスインフレ(物価上昇の鈍化)傾向を維持するための金融スタンスと整合的だ」と述べた。
エジプト政府とIMFは今週、80億ドルの拡大融資枠に関する2回の審査で事務方レベルの合意に達した。IMF理事会が承認すれば、2つのトランシュ(段階)から成る総額25億ドルの融資を受け取れるようになる。
原題:Egypt Squeezes in 5th Rate Cut of Year After Inflation Slows (1)(抜粋)
--取材協力:Abdel Latif Wahba.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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