(ブルームバーグ):米実業家ジェフ・ベゾス氏が設立した航空宇宙企業ブルーオリジンが20日、乗組員6人による準軌道飛行を成功させた。乗組員には車いすを利用している技術者や、イーロン・マスク氏率いるスペースXの元エンジニアが含まれた。車いす利用者による宇宙到達は初めて。
「ニューシェパード」は、ニューヨーク時間午前9時15分(日本時間午後11時15分)ごろに打ち上げられ、約11分後に帰還のカプセルがテキサス州西部に着陸した。
当初、ミッションは18日の予定だったが、飛行前点検で詳細不明の問題が発見されたため延期されていた。
ニューシェパードは、短い時間ながら大気圏と宇宙空間の境界まで人を送り込むため、また研究ミッションを実施するために開発された小型の宇宙船で、有人宇宙飛行は今回で16回目だ。
搭乗した欧州宇宙機関(ESA)の航空宇宙エンジニア、ミカエラ・ベントハウス氏は、2018年にマウンテンバイクの事故で負傷し、自力歩行が困難になった。ハンス・ケーニヒスマン氏は2021年に退職するまでスペースXに20年勤務し、航空電子機器部門担当の副社長を務めた経験を持つ。
4月には歌手のケイティ・ペリー氏やベゾス氏の婚約者(当時)ローレン・サンチェス氏、CBSニュースのジャーナリストであるゲイル・キング氏らがブルーオリジンの宇宙旅行に参加。女性のみの宇宙飛行は約60年ぶりだった。
ブルーオリジンは料金を公表していないが、競合の宇宙観光会社ヴァージン・ギャラクティックの同様の宇宙観光は約60万ドル(約9400万円)かかる。ブルーオリジンは宇宙船や衛星の打ち上げが可能なより大型の「ニューグレン」ロケットも運用する。
原題:Blue Origin Completes First Space Flight With Wheelchair User(抜粋)
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