米テスラは、衝突事故を起こした車両の中に救助隊が入りやすくする新機能を導入した。同社の一部車種を巡っては、外側からドアが開かなくなり子どもが閉じ込められたとの報告があり、9月には米運輸省道路交通安全局(NHTSA)が予備調査を開始していた。

テスラは新たに開設したウェブサイト上で、車両が重大な衝突を検知すると、ハザードランプが点灯し、ドアが自動的に解錠され、緊急サービスに通報されると説明している。ただし注釈で、これらの機能の一部は、製造時期や地域によっては利用できない場合があるとしている。

テスラがこうした機能を強化する背景には、ブルームバーグによる調査報道がある。同社の電動ドアが事故後に開かなくなって救助活動を妨げたり、車内に人が閉じ込められたりする可能性が指摘された。NHTSAの予備調査は、最量販車である「モデルY」の一部仕様に欠陥があるかどうかを調べている。

なお、これらの緊急対応機能が既存の車両にも無線(OTA)アップデートで提供されたのか、新車に限られるのかは明らかにされていない。テスラは電子メールによるコメント要請にすぐに応じなかった。

複数の事故を受けてテスラ車の電動ドアに厳しい目が向けられている

テスラの車両には、走行用の高電圧バッテリーと、窓やドアの開閉を担う低電圧バッテリーの2つが搭載されている。低電圧バッテリーが故障または停止すると、外側からドアを解錠できなくなる場合がある。

ドアを開けるためのボタンが、緊急時に機能しなくなることがある。前席ドアには手動で開くためのハンドルがあるが、その一部は表示が明確ではない。後部ドアは、カーペットの下やスピーカーグリルの裏、あるいはプラスチック部品の下などに設置されている。ただ、「モデル3」および「モデルY」の一部仕様には、後部ドアにそうした機能がない。

原題:Tesla Touts Post-Crash Door Safety Feature for Some of Its Cars(抜粋)

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