日中関係が悪化する中、中国で話題となっていた“日本風”の観光スポットにある異変が起きています。現地を取材しました。

人工の雪が降る中、子どもが楽しそうに遊んでいます。郵便ポストも雪化粧、真冬を思わせる景色が広がっています。そこには「北海道」と書かれた看板。

こちらは中国東部・浙江省にある観光スポットで「小さな北海道」とも呼ばれています。

「北海道のロマンを感じさせます」
「自然の美しさに浸り WINTER」

運営会社によると、オープンしたのは1か月前で、映えスポットとして瞬く間に話題になりましたが…。

記者
「“雪国”をテーマにしたこの施設なんですが、『北海道』という看板はなくなり、『ソウル』に変わっています。北海道感、まったくなくなりました」

おととい行ってみると、日本語の看板はハングル表記に。“北海道風”の観光スポットが“ソウル風”に一変していたのです。急いで張り替えたのでしょうか、上から張りなおしたようにもみえます。ところどころ日本語が残っているところも…。

記者
「車のナンバープレートには『東京』と書かれているんですけれども、これも消されています。ただ微妙に残っています」

中国のSNS
「来た時はまだ“北海道”だったけど、帰る時には“ソウル”になってた」

中国のSNSによると、オープン翌日には“ソウル風”に変わっていたということです。日中関係の悪化が影響したのでしょうか?

「子どもの1歳記念の写真を撮りたかったので来ました。(Q.日中関係の影響で“ソウル”に変わったとみられるが?)政治にはあまり詳しくないです」

中には“ソウル風”になったと聞いて、訪れたという人も。

「前は“北海道”だったので来なかったんですけど、“韓国”に変わったので来ました。(Q.なぜ“北海道”だと来なかったのですか?)日中関係が緊張しているので、ちょっと避けた方がいいかなと…堂々とは来られないです」

なぜ看板を張り替えたのか。運営スタッフに聞いてみると…

運営スタッフ
「(Q.ここは以前“北海道”でしたよね?)違います。ここは“ソウル”です。(Q.ずっと“ソウル”だったんですか?)はい、私は来てまだ数日なので、前のことは分かりません」
「(Q.以前は“北海道”だったようですが)分かりません。私たちが来た時は、この状態でした」

「わからない」と繰り返しました。

この日はスタッフ総出で撮影する様子も。“ソウル風”の新スポットとしてPRするための動画撮影なのでしょうか。

緊張が続く日中関係。いまだ収束の糸口がつかめない中、中国側の現場も翻弄されているようです。