(ブルームバーグ):トランプ米政権は輸入拡大や国内牧畜農家への支援強化を通じて、上昇し続ける国内牛肉価格の抑制を図っているが、沈静化の兆しは見えない。
米労働統計局によると、11月の牛ひき肉の平均価格は1ポンド当たり6.781ドルと、9月から2.1%上昇した。前年同月比では15%上昇。ステーキ肉価格は同12.285ドルと、9月比で小幅上昇となった。
米国の肉牛飼育頭数が歴史的低水準に落ち込む中で、特に需要が高い牛ひき肉は比較的安価にもかかわらず、過去最高値を更新し続けている。

米会員制量販大手コストコホールセールのゲーリー・ミラーチップ最高財務責任者(CFO)は先週のアナリスト向け説明会で、牛肉の高価格帯の部位でも販売は力強く伸びているが、ひき肉や鶏肉といった低価格品はさらに大幅に増加していると述べた。
トランプ政権は牛肉価格の抑制を目指しており、11月に食肉処理業者の価格操作疑惑の調査を要請し、ブラジル産牛肉への関税も撤廃した。10月には米農務省が放牧地へのアクセス拡大など牧畜農家を支援するプログラムを導入した。
牛肉輸入は今年15%増加すると見込まれている。農務省は今月、関税撤廃を考慮し、来年の輸入見通しを引き上げた。ただ同省は15日の報告書で、来年前半に牛肉の供給増が見込まれるものの、その後はブラジルの牛肉生産全体の減少により増加は鈍るとの見通しを示した。
ステーキハウスチェーンなどを展開するダーデン・レストランツのラジ・ヴェナムCFOは18日の決算説明会で、「牛肉のほぼ記録的な高価格が当社の想定以上に長く続いている」とし、2025年12月-26年2月(第3四半期)までは高止まりが続く可能性が高いものの、その後は一部落ち着く見込みだと述べた。
原題:Beef Prices Set Record as Supply Shrinks Despite Trump Push (1)(抜粋)
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