(ブルームバーグ):2026年度の与党税制改正大綱の原案が19日、明らかになった。防衛力強化に向けて27年から所得税を1%増税することとし、懸案だった財源問題に決着をつけた。ブルームバーグが大綱を確認した。
大綱では、所得税額に1%を新たに付加する「防衛特別所得税(仮称)」を課し、27年から実施すると明記した。同時に、東日本大震災の復興財源に充てる「復興特別所得税」を1%引き下げる。単年度の国民負担は当面変わらないが、復興特別所得税の課税期間を10年間延長するため、長期的には負担が増す見通し。
防衛財源を巡っては、23年度税制改正大綱で、所得、法人、たばこの3税を引き上げて確保する方針を掲げた。法人税とたばこ税は、昨年末に決めた25年度大綱で26年4月からの実施を明記。所得税に関しては結論を先送りしたため財源問題が宙に浮いたままだったが、今回の決定で課題が解決した形となる。
米国は11月にまとめた国家安全保障戦略で、台湾海峡における中国の威圧行動を念頭に「米国と同盟国の能力強化」を提唱。台湾有事を巡る高市早苗首相の発言を機に中国が対日圧力を強めるなど、安全保障環境は一層厳しさを増す中、さらなる防衛費増を目指すかどうかが今後の焦点となる。
政府は22年、防衛力整備に5年間で約43兆円を投じ、国内総生産(GDP)の1%程度に抑えられてきた防衛費を27年度までに2%にする方針を示した。高市政権は25年度補正予算案で、防衛費に関連費用も含めて1兆円余りを計上し、2%目標を2年前倒しで達成した。26年中には安保関連3文書の改定を目指している。
年収の壁
所得税が発生する「年収の壁」を現在の160万円から178万円に引き上げることも決めた。基礎控除を最も多く受けられる所得層をこれまでの年収200万円以下から665万円まで広げる。
対象者は納税者の約8割となる。665万円までの拡大は26、27年のみの時限措置とする。国民民主党が中間層にも恩恵が行き届くよう求めており、その意向を反映した。
年収の壁は、国民が24年10月の衆院選で、当時の103万円から178万円に引き上げると訴えていた。財務省は今回の改正に伴う税収減を約6500億円と見込んでいる。
その他のポイント
- 賃上げ促進税制
- 25年度末で法人税負担を減らす対象から大企業を外す
- 中堅企業は26年度の適用条件を厳格化し、同年度末で除外
- 国際観光旅客税(出国税)
- 出国1回につき1000円から3000円に引き上げ-実施時期は26年7月
- 超富裕層向け課税の強化
- 非課税枠を1億6500万円に半減、税率は22.5%から30%に
- 小額投資非課税制度(NISA)
- 「つみたて投資枠」を18歳未満にも対象拡大
- 総額600万円まで、引き出しは12歳から
- 「つみたて投資枠」を18歳未満にも対象拡大
- 暗号資産関連の取引で得た所得に対し一律20%課税、株式並みに引き下げ
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