(ブルームバーグ):イングランド銀行(英中央銀行)は18日、政策金利を0.25ポイント引き下げ、3.75%とすると発表した。利下げは8月以来3会合ぶり。ただ、今後の利下げのペースと規模はどうなるか分からないとくぎを刺した。
イングランド銀行の金融政策委員会(MPC)は、5対4の投票で、利下げを決定した。この発表後にベイリー総裁は、来年の利下げ余地は限定的で、MPCの判断は「一段と際どく」なるだろうと警告した。
ベイリー氏は、金利が「依然として緩やかな低下傾向にあると考えている」としつつ、利下げサイクルの終わりに近づくにつれ、利下げのペースは鈍化するとの見方を表明。「ある意味、インフレが維持される水準に近づいている。その水準に近づいていることに間違いないため、判断は際どくなる。いずれかの時点で利下げペースは緩やかになると予想しているが、それが正確にいつになるか判断するつもりはない。現状はあまりにも不確実性が高いからだ」と続けた。
金利水準については、「まだ引き締め的であることをデータが示唆するが、明らかに以前ほどではない。既に6回の利下げを実施したからだが、自分は緩やかな低下傾向が続く余地があると考えている」と語った。
17日に発表された消費者物価指数(CPI)が、予想以上に低水準だったにもかかわらず、イングランド銀行が慎重な言い回しを維持したため、短期金融市場では来年の利下げ見通しが後退し、来年末までに見込まれる追加利下げは37ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)に縮小した。
ポンドはドルに対する下げを解消し、上げに転じた。英国債は下落。ポンドは11月の米インフレ率が予想を下回ったことも追い風に上げを拡大し、一時0.5%高の1.3438ドル。英10年債利回りは一時3bp上昇の4.51%となった。
トロント・ドミニオン銀行の英国・欧州金利担当シニアストラテジスト、プージャ・クムラ氏は、「利下げのペースに関して明確な道筋が示されなかった」とブルームバーグテレビジョンとのインタビューで指摘。「前日の統計で英国のインフレ鈍化が明らかになっただけに、市場はより多くを期待していた。英国債が下げているのは、それが理由だ」と述べた。
新たな表現
ここ数日間に発表された一連のデータで経済成長、雇用市場、物価上昇圧力が全て下降傾向にあることが示され、ベイリー氏は金融緩和を支持する立場に転換した。イングランド銀行は、来春にはインフレ率が2%の目標に「より近づく」と予想している。
MPCは、現在の状況から判断すると、来年も金利は引き続き緩和されるとしている。ただ、インフレを押し上げも押し下げもしない中立金利に近づいていることから、今後の利下げは微妙な判断になるだろうとの、新たな表現も加えた。
議事要旨では、イングランド銀行の利下げサイクルが終盤に差し掛かっていることが示唆された。政策の引き締め度合いは低下したとの認識を示し、来年の緩和幅は「インフレ見通しの推移次第」とした。
利下げは、現在の緩和サイクルでは6度目で、決定の背景には英国の懸念が高止まりするインフレから、停滞する経済と労働市場へと移行していることがある。トレーダーやエコノミストは、ここ1週間に発表された一連の経済指標と穏健な政府予算が、利下げを決定づけたとみている。
金利見通しを巡るMPC内の意見の深い隔たりも露呈した。タカ派委員4人は全員、自らの立場を堅持した。ただ、そのうちのマン委員は「据え置きへの投票はかなり微妙な判断だった」と述べ、グリーン委員もインフレリスクが下方へシフトしたと認めた。
利下げを支持した5人のうち、ベイリー氏を含む3人は、賃金圧力に注視する姿勢を示した。一方、ハト派の外部委員ディングラ氏とテイラー氏は、成長とインフレに対する下方リスクを強調した。
原題:Bailey Warns of Limited Room for More Cuts as BOE Eases Policy、BOE’s Bailey Says Pace of Interest-Rate Cuts Will ‘Ease Off’ (抜粋)
(ベイリー総裁の発言を加えて更新します)
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