(ブルームバーグ):米テスラは、昨年7月に参入した世界第3位の自動車市場インドで苦戦を強いられている。事前に予約をしていた顧客の一部が購入をキャンセルし、販売が伸び悩んでいる。
事情に詳しい関係者によると、イーロン・マスク氏率いるテスラが初回分としてインドに輸入した主力のスポーツ多目的車(SUV)「モデルY」約300台のうち100台が売れ残っている。情報の非公開を理由に匿名を条件に語った。残りの在庫を一掃するため、最大20万ルピー(約35万円)の割引が適用される例もあるという。
値引きの対象は昨年輸入された「モデルYスタンダードレンジ」の一部で、購入希望者や試乗希望者に直接、個別に案内されており、全国規模の公式なプロモーションではないとされる。

インドでの在庫や割引販売について、同社にメールでコメントを求めたが返答はなかった。
ライバルは好調
販売が伸び悩むテスラとは対照的に、一部の競合メーカーはインド市場で着実な成長を遂げている。
販売競争の激化や補助金削減を背景に、テスラは米国、欧州、中国など主要市場でシェアを落としている。インドでは輸入車に最大110%の関税がかかることもあり、販売の成否はブランド力に大きく左右される。だがインドではブランドの認知度が低く価格も高いため、まだ消費者に広く受け入れられていないのが現状だ。
こうした状況を受け、テスラは高級車志向の顧客層を取り込む狙いで、昨年11月、ランボルギーニ・インディアの元代表であるシャラド・アガルワル氏を現地責任者に起用した。
一部の購入検討者は試乗後に見送り、より安価なBMWのエントリーモデルEV「iX1」や、多機能なBYDの「シーライオン7(SEALION 7)」といった電気自動車(EV)の代替車種を選好する傾向にある。テスラの「モデルY」は約7万ドルからと高価格だが、これらの車両はそれよりも安価に購入できる。
ブルームバーグは昨年9月、「モデルY」のインド国内での予約が約600台にとどまったと報じた。テスラは昨年、同国に最大500台出荷したが、25年の登録台数は227台にとどまった。

BMWのインド法人代表のハルディープ・シン・ブラール氏によると、現地組立モデルの「iX1」は昨年の販売台数が前年比約3倍の約3700台に達した。BMWのEVの平均価格は「モデルY」とほぼ同水準だが、EVの販売比率も引き上げているという。
一方、BYDもより幅広い価格帯のモデルを提供し、現地パートナーと連携することで市場シェアを拡大。昨年のインドでの登録台数は88%増の5400台超となった。
原題:Tesla’s India Letdown Spurs Discounts on Unsold Model Y SUVs(抜粋)
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