中国がアルゼンチン産小麦の輸入を数十年ぶりに再開する。アルゼンチンでの記録的な豊作に加え、ミレイ大統領が輸出拡大に向け関税引き下げに動いたことが背景にある。

中国国有食料大手の中糧集団(COFCO)がパラナ川沿いの拠点で船積みを開始した。これが1990年代以来の対中輸出となる。輸送船は大西洋岸でさらに6万5000トンを追加し中国に向かう見込みだ。

アルゼンチン産小麦は記録的な豊作を背景に世界的な最安値圏にある。ミレイ氏が12日に小麦の輸出関税を2ポイント引き下げ7.5%にしたことで競争力は一段と高まっている。

輸出関税は国際的に異例だが、アルゼンチンは2000年代から財源として課している。経済自由化を推進するリバタリアン(自由至上主義者)のミレイ氏は将来的に輸出関税を全廃する意向だ。

米国との貿易摩擦が長期化する中、中国は南米からの農作物購入を増やしている。

一方、アルゼンチン産小麦は収穫量が多いものの、タンパク質含有量が低く品質は劣る。外貨準備の積み増しを急ぐミレイ政権だが、輸出関税による歳入は限られる可能性がある。

原題:China Buys Rare Argentine Wheat Cargo as Milei Trims Tariffs(抜粋)

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