タイとカンボジアの国境地帯で軍事衝突が続くなか、タイのアヌティン首相がアメリカのトランプ大統領と電話会談を行いました。トランプ氏は停戦を求めたものの、即時停戦には至っていないということです。
タイのアヌティン首相は12日、カンボジアとの軍事衝突が続く国境地帯の情勢について、トランプ大統領と電話で協議し、「良い雰囲気の会談だった」と記者団に明らかにしました。
電話会談でアヌティン氏は、「先に攻撃を仕掛けたのはカンボジア側だ」としたうえで、「タイ側は自衛のために報復措置をとらざるを得ない状況だ」と説明。
トランプ氏からは戦闘の停止を求められたものの、「停戦合意に違反したカンボジアが攻撃を停止し、部隊を撤収させるなど行動を是正すべきだ」と強調したということです。
また、アヌティン氏は「現時点で停戦には至っておらず、戦闘は続いている」として強硬な姿勢を崩していません。
トランプ氏は、タイ・カンボジア両国の首脳と電話会談する意向を示していましたが、カンボジア側との協議については、まだ明らかになっていません。
一方、トランプ氏は12日、SNSでタイとカンボジアが戦闘の停止で合意したと表明しました。
タイのアヌティン首相、そしてカンボジアのフン・マネット首相と電話で会談したことを明らかにしたうえで、両国が「きょうの夜、すべての射撃を停止し、和平協定に戻ることで合意した」と書き込みました。
トランプ氏は「きょうの夜」が現地時間を指すのか、アメリカ東部時間を指すのかなどは説明していません。
トランプ氏は「大規模な戦争に発展しかねなかった事態を、アヌティン首相とフン首相と共に解決できたことを光栄に思う!」と強調しています。
これに先立ち、タイのアヌティン首相はトランプ氏との電話会談で停戦を求められたものの、即時の停戦には至っていないと説明していました。
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