なぜ基本給は上がらない? 日本企業が「ボーナスで還元」する“裏事情”
井上キャスター:
「冬のボーナスが増えるのはいいことという反面、こういう分析もできる」ということで、三菱UFJリサーチ&コンサルティング小林啓介研究員に話を伺いました。

多くの企業が業績好調で、人手不足の深刻化もあり「辞めてほしくない」ということで、調整しやすいボーナスで還元する。ボーナスは上げたり下げたりしやすいですが、裏を返すと、日本企業の構造上、給与には反映しにくいということです。
ボーナスという考え方が日本独特と言われています。ボーナスで調整して、給与を一度上げると下げづらいので、やはりボーナスで何とか調整したがるのが経営者側の心理とも言えるのでしょうか。
池澤摩耶さん:
そうですね。2025年みたいに(ボーナスが)少し上がっているのだったらいいかなと思います。
井上キャスター:
ボーナスを給与化しようじゃないかという流れもありますよね。
池澤摩耶さん:
そうですね。でもそれより「年末にボーナス」という言葉の響きがいいじゃないですか。少しプレゼント的な意味もあるので、モチベーション的にはボーナスの方がいいような気もします。

井上貴博キャスター:
実質賃金は10か月連続でマイナスです。やはり物価が高いので、給与が少し上がっただけでは苦しいということですね。
池澤摩耶さん:
実質賃金を一番簡単に言うと「今使えるお金」なんです。だからインフレが進んで、色々なものが引かれて、今いくら使えるかというところなので、実質賃金がマイナスで続くのであれば、「楽しく使う」か「運用するか」で、「貯める」ではないと思います。
==========
<プロフィール>
池澤摩耶さん
会社経営者・投資家
元外資系投資銀行のトレーダー
2児の母
著書に「子どもを人生ゲームの勝者にする最強マネー教育」など