トランプ米大統領の名を冠した仮想通貨(ミームコイン)「$Trump」が発行時から87%値下がりしたのを受け、プロモーターは同コインを使ったゲームを年内に公開し、復活を図る計画だ。

モバイルゲーム「トランプ・ビリオネアクラブ」は低迷する同コインを後押しする広範な取り組みの一環として活用される。公開された予告映像では、トランプ氏に似た声が億万長者を目指すよう促している。

コインゲッコーによると、同コインは2025年1月の大統領就任式直前に発行され、時価総額は一時88億ドル(約1兆3800億円)に達したものの、その後約76億ドル減少し、今週時点で12億ドルを下回っている。

事情に詳しい関係者によれば、同コインのプロモーターで起業家のビル・ザンカー氏は、12月末までにトランプ・ビリオネアクラブをアップルのアプリストアやオンラインで公開する計画。ゲームの舞台はニューヨークで、プレーヤーはトランプ・ミームコインを使って企業帝国を築き、影響力を高めたり賞金を獲得したりできる。

ゲーム開発を手掛けるフリーダム45ゲームズは、総額100万ドル相当の同コインを賞金として提供する。関係者によれば、同ゲームはトランプ氏の名前をライセンス契約の下で使用している。フリーダム45社はコメント要請に応じていない。ホワイトハウスは取材要請に対し、トランプ・オーガニゼーションにコメントを委ねたが、同組織の返答は得られていない。

ザンカー氏はこれまでも、ミームコインの下落を食い止めるため、政治資金集めや暗号資産業界でよく見られる手法を用いてきた。5月には、上位保有者向けの非公開の夕食会を開催し、トランプ氏本人も出席した。イベントの発表と開催は利益相反の懸念や抗議を招いたが、短期間ながら価格を押し上げた。

ザンカー氏は2007年にトランプ氏と共著で著書を出版し、その後もクラウドファンディングサイトやトランプ氏をスーパーヒーロー化した非代替性トークン(NFT)シリーズなど、派手な共同事業を展開してきた。

原題:Trump Ally Plots Gamified Bid to Boost Memecoin After 87% Crash(抜粋)

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