(ブルームバーグ):米海軍は、潜水艦の建造を加速させる長年の取り組みの一環として、パランティア・テクノロジーズと手を組む。同社の分析技術によりサプライチェーンの課題をより明確に把握できると期待している。
9日のパランティアと海軍の発表によれば、パランティアは同社の「ファウンドリー」と「アーティフィシャル・インテリジェンス・プラットフォーム(AIP)」を提供する。この取り組みは「ShipOS」と呼ばれる。海軍の声明によると、総投資額は4億4800万ドル(約700億円)とされる。
海軍は、パランティアのサービスがバージニア級およびコロンビア級潜水艦の建造加速に寄与すると見込んでいる。これらのプログラムはいずれもコスト超過と長年の遅延に悩まされてきた。
ジョン・フェラン米海軍長官は、「業界が人工知能(AI)や自律化ツールを大規模に導入できるよう支援することで、造船業界がスケジュールの改善や生産能力の拡大、コスト削減を図れるよう、われわれは支援することになる」と述べた。
パランティアによると、大手造船会社2社と公的造船所3カ所が最初にソフトウエアの提供を受ける予定だが、具体名は明らかにされていない。請負業者であるゼネラル・ダイナミクスとハンティントン・インガルス・インダストリーズ(HII)は、約1300億ドル規模のコロンビア級潜水艦12隻のプログラムと、バージニア級攻撃型潜水艦の設計・建造を担っている。
パランティアのアレックス・カープ最高経営責任者(CEO)は、米首都ワシントンで行われた海軍主催のイベントで記者団に対し、「潜水艦1隻の建造には1000万時間の労働が必要で、関与する企業は2000社に及ぶ。全ての部品が特殊なものだ」と語った。
海軍や企業関係者はこれまで、建造の遅延について、人手不足や下請け業者による生産の遅れなど、さまざまな要因を挙げてきた。
フェラン長官は、潜水艦の産業基盤が「ShipOS」の将来的な拡大の可能性を示すものになると述べ、空母や艦隊全体、さらには戦闘機への導入にもつながる可能性があるとした。
原題:US Navy Turns to Palantir in Push to Speed Shipbuilding (2)(抜粋)
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