アジアの金融ハブ、香港で高級マンションの1室が8億8000万香港ドル(約176億円)で売られた。香港で過去最高の売却額となり、高級不動産市場が回復基調にあることが改めて示された。

事情に詳しい関係者によると、最高値を更新したのは、恒基兆業地産と新世界発展が高級住宅街ミッドレベルズ(半山区)で共同開発した「ザ・レガシー」にある2階建ての一戸。法人名義の変更として取引されており、買い手が身元を隠す一般的な方法だという。

恒基兆業地産の広報担当者はコメントを控えた。

販売パンフレットによると、最高値となったマンションは広さ約770平方メートルで、寝室を4室備えている。関係者によれば、プライバシー確保のため、隣接する小さめの物件も同じ買い手が約2億2000万香港ドルで購入したという。

香港の住宅価格指標によると、香港の住宅市場では、2021年に最高値を記録した後は約30%下落したが、ここ数カ月で市場の地合いが改善している。

不動産コンサルティング会社ナイトフランクのリサーチ部門グローバル責任者リアム・ベイリー氏は先週のリポートで、「香港は回復の兆しを見せ始めている。利下げが資金調達環境の安定に寄与した。個人・機関投資家双方が高級住宅市場に回帰している。供給不足とピーク時から顕著な価格調整が進んだことで、選別的な投資機会が生まれている」と指摘した。

香港の住宅賃料は11月に過去最高を記録した。人材誘致策にひかれ香港にやって来た新しい住民の強い需要が背景にある。

原題:Hong Kong Duplex Apartment Sells For Record $113 Million(抜粋)

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