ドイツで5月に誕生したメルツ首相が率いる連立政権が年金改革を巡って分裂の危機に瀕している。
包括的な年金制度改革は、政権を率いる中道右派のキリスト教民主同盟(CDU)、バイエルン州で活動する姉妹政党・キリスト教社会同盟(CSU)、連立相手で中道左派の社会民主党(SPD)が、最重要な政策分野の1つとして位置付けている。
SPDが年金給付水準の中期的な維持を求めているのに対して、年金財政の持続性を重視するCDUの青年部に所属する議員は、給付水準の中期的な引き下げを求めて、5日に予定される法案採決で反対票を投じる可能性を示唆している。
定数630の連邦議会で連立政権が持つ議席は328にとどまり、CDUの青年部に所属する18議員が造反すれば、法案は否決される。
SPDの重鎮閣僚は、年金改革が頓挫した場合、連立政権の存続にとって重要な意味を持つと発言し、法案採決での協力を促している。CDUの執行部は青年部所属議員の翻意を促しているが、今のところ説得工作は難航している。
CDUの執行部は5日の法案採決を前に、所属議員を対象に予備投票を行うことを計画している。このまま青年部の賛成を取り付けることに失敗すれば、重要法案が否決され、政権への打撃や連立政権の存続が危ぶまれる事態に発展する恐れもある。