価格は6倍に 地域を支えたブーム

この地域は長らく天然のゴムの採集で生計を立ててきましたが、東南アジアなどが台頭し価格が低迷。
そこで新たな収入源として、30年ほど前にアサイーの栽培に転換。当初は値がつかず、収穫しても捨てる日々が続いたといいます。

転機は15年ほど前。アサイーの栄養価が海外で注目され始め、価格が約30kgで800円ほどに。自治体が農家から買い取り、学校の給食として提供するなど生産を後押ししました。

世界的なブームが加速し、現在は約5000円まで高騰。収穫期(8月〜12月)以外は品薄になるため、9000円を超えることも。アサイーが地域の収入を大きく押し上げ、生活水準が上がったといいます。

子どもが木に登る現実 事故も後を絶たず

一方で、深刻な問題も抱えています。

アサイーの木は細く、体重の軽い子どもが登りやすいため、男の子が木に登って枝を取り、女の子は枝から実をもぐという役割が慣例化しています。

ガブリエルくんも、11歳から木に登って収穫を手伝ってきました。今は毎朝6時から収穫し、午後から学校に通っています。

しかし、木から子どもが落下する事故は後を絶ちません。
下半身をまひする大けがを負った例もあり、海外メディアやアメリカの労働省は、アサイーの収穫作業は危険性の高く「児童労働にあたる」と指摘しています。