収穫はすべて人の手だけで

そんなアサイーの収穫はすべて手作業で行われています。

口にナイフをくわえ、足に巻いた縄だけで細い木に登る。足だけで体重を支えて実がついた枝を切り、手に持って地上に下りる。腐った実を目視で見つけて取り除きながら、かごにもぎ取っていく。
これを1日に何十回も繰り返して、かごをいっぱいにしていきます。

1本の枝は約2キロ。ガブリエルくんは、複数の枝を抱えたまま木を降りたり、時にはそのまま隣の木に乗り移ったりすることも。取材している時にも木が大きくしなり、思わず「危ない!」と口をついて出る場面もありました。

いざ実食! “本当のアサイー”の味は…

地域の人はアサイーをおやつではなく、お米やおかずと一緒にご飯として食べています。
特にキャッサバ芋の粉「ファリーニャ」やタピオカ粉を混ぜ、とろみをつけるのが一般的だそうです。

私も収穫したてのアサイーをいただくことに。
しかし、一口食べて固まりました。まったく甘くないのです。色も質感も日本で食べるアサイーとほぼ同じ。けれども、味は青臭い豆のようです。

砂糖を1杯入れてもまだ食べられず、結局4杯ほど入れると、日本で慣れ親しんだ“アサイーの味”になりました。これまで食べていたアサイーの商品に、どれほど甘味が加えられていたのか気づかされた瞬間でした。