日本や欧州、カナダの首脳は22日、米国が提示した28項目のウクライナ和平案について「追加の作業が必要」との認識を表明した。ロシアに過度に譲歩する内容になっているとの深い懸念を反映している。

南アフリカで開催されている20カ国・地域首脳会議(G20サミット)に出席している日欧加の首脳が共同声明を発表した。

武力によるウクライナの国境の変更は認められないとしたほか、ウクライナ軍の規模を制限するという米国の提案にも異議を唱えた。

声明では「従って、この草案は今後さらなる作業が必要な土台であると考える」と指摘。「持続可能な平和を確実に実現するため、協議に応じる用意がある」としている。

米国が提示した和平案の条件では、ウクライナに対して、ロシアが完全掌握していない東部ドンバス地方の一部から部隊を撤退させることを求めている。同地域はその後、国際的にロシア領と認定された中立の非武装緩衝地帯とされる見通し。ロシアはクリミア半島、ルハンスク州、ドネツク州に対する事実上の領有権を認められることになる。

トランプ氏はウクライナに対し、自身の和平案を27日までに受け入れるよう求め、拒否した場合は武器供与と情報支援を停止すると警告した。

ホワイトハウスがこの和平提案を急いで進めようとしていることに対して、ウクライナや同盟国は衝撃を受けている。当面はトランプ氏が設定した期限を引き延ばし、ウクライナに一段と有利な条件を引き出すことが喫緊の課題だ。

声明では「この機会を利用して、ウクライナに対するわれわれの継続的な支援の強固さを改めて強調する」とし、「今後数日にウクライナおよび米国と緊密に連携していく」と述べた。

原題:Europeans Insist Trump’s Ukraine Peace Plan Needs More Work (1)(抜粋)

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