(ブルームバーグ):トランプ米大統領は、米国が提示したロシアとの和平案をウクライナは27日までに受け入れるべきだと主張したが、欧州の指導者らは、ウクライナが新たな停戦枠組みをロシアと策定するための時間を確保しようと動いている。
事情に詳しい関係者によると、ウクライナのゼレンスキー大統領と、独仏を含む欧州首脳は、和平案の多くを変更して建設的な修正案として提示する方針だという。
ドイツのメルツ首相は急きょトランプ氏と電話会談し、今後数日間、国家安全保障担当高官レベルで協議を続けることで一致した。通常であれば協議にはルビオ国務長官も参加するが、今回はドリスコル米陸軍長官が代わりに参加する可能性があるとされる。
関係者によると、ドリスコル氏は今週、欧州各国の大使に対して早期に合意をまとめる必要があると説明したという。同氏はウクライナは苦境にあり、いまこそ和平を実現すべき時だと述べ、トランプ大統領がこの機に和平合意を望んでいると伝えたという。
トランプ氏は21日、記者団の質問に対し強硬な姿勢を示し、ウクライナが同意しなければ、米国は紛争への関与をやめると示唆。ゼレンスキー氏について、「彼は受け入れなければならない。受け入れないなら戦いを続ければいい。いずれにせよ彼は何かを受け入れざるを得なくなる」と語った。
その一方でトランプ氏は柔軟な姿勢もにじませ、この日のFOXニュース・ラジオのインタビューで、期限として11月27日が妥当としながらも、「事態がうまく運んでいる時には、つい期限を延ばしてしまうものだ」と述べた。
焦点は、22日に南アフリカのヨハネスブルクで開幕する20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせた協議に移る見通しだ。事情に詳しい関係者によると、欧州首脳は今後の対応策を話し合う予定だという。
原題:Europe Scrambles for Time After US Sets Ukraine an Ultimatum (1)(抜粋)
--取材協力:Courtney McBride、Derek Wallbank、Steven T. Dennis.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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