(ブルームバーグ):トランプ米政権は、サウジアラビアの人工知能(AI)新興企業ヒューメインとアラブ首長国連邦(UAE)の政府系AI企業、G42への先端AI半導体数万個の輸出を承認した。AI分野の有力プレーヤーを目指す両国の国家的野心に弾みがつく。
米商務省によると、エヌビディアの最先端プロセッサー「GB300 」3万5000個相当の演算能力を持つAI半導体チップがヒューメインとG42に納入される予定だ。商務省は19日にブルームバーグ・ニュースの報道を確認し、ヒューメインとG42が「厳格なセキュリティーおよび報告要件」を満たすことが条件だと説明した。
米国とのより広範な二国間協定枠組みの下での輸出承認は、中国関連リスクなどを焦点に数カ月続いた交渉を経て成立した。事情に詳しい関係者によれば、機密技術の敵対国への迂回(うかい)輸出を阻止する条件が盛り込まれた。
輸出承認に付随するセキュリティー条件の詳細を関係者は明らかにしていない。アブダビに拠点を置き、中国と歴史的に結び付きのあるG42は、中国の通信機器メーカー、華為技術(Huawei)との関係解消を約束し、マイクロソフトとの15億ドル(約2360億円)相当の提携が実現した。
ヒューメインもHuawei製の機器を購入しないと公に約束した。G42とヒューメインの広報担当者にコメントを求めたが、これまでのところ返答はない。輸出承認は米紙ウォールストリート・ジャーナルが先に報じていた。
原題:US Approves Sale of 35,000 AI Chips to UAE’s G42, Saudis’ Humain(抜粋)
--取材協力:Mark Bergen.
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