トランプ政権で連邦緊急事態管理庁(FEMA)のトップを務めていたデービッド・リチャードソン氏が17日、着任から約6カ月で辞任した。

トップに就任した際、同氏には緊急事態対応の経験がなかった。着任前は、国土安全保障省の大量破壊兵器対策部局の幹部を務めていた。

リチャードソン氏は、テキサス州で130人を超える死者を出した7月の洪水へのFEMAの対応を巡って批判を受けていた。

リチャードソン氏は17日のインタビューで、「他の誰も引き受けなかったので、ハリケーンシーズンの間、局長代行を務めることに同意した」と発言。ハリケーンシーズンの終了まであと数日残す中、「危険はほぼ過ぎ去った。今は他の機会に向かうことができる」と話した。

国土安全保障省の報道官によれば、FEMA首席補佐官カレン・エバンス氏が12月1日付でリチャードソン氏の後任となる予定だ。同氏の辞任は、米紙ワシントン・ポストが先に報じた。

今回の辞任で、ここ数カ月の間にFEMAのトップが2度入れ替わる形となる。リチャードソン氏は、前任の元米海軍特殊部隊のキャメロン・ハミルトン氏の後任として就任。ハミルトン氏は、FEMA廃止に賛成しないと議会で証言した翌日に解任された。

トランプ大統領は、FEMAを廃止すべきだと繰り返し示唆してきており、年末までにFEMAの今後の扱いを検討する独立の組織を立ち上げた。

リチャードソン氏の在任中で最も大きなFEMAの活動は、7月4日の週末にテキサス州ヒルカントリーを襲った大規模な洪水への対応だった。

生存者と面会するためリチャードソン氏が被災地を訪れるまで1週間超を要し、もっと早く現地に来るべきだったと職員や元FEMA当局者の批判を浴びた。

リチャードソン氏はブルームバーグ・ニュースに対し、洪水が最初に発生した時は休暇中で、電話を通じて対応を指揮していたと説明した。

原題:FEMA Chief Resigns After Six Months, Criticism Over Floods (2)(抜粋)

--取材協力:Hadriana Lowenkron.

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