(ブルームバーグ):片山さつき財務相は18日の閣議後会見で、足元で円安が進む現状について、為替動向は一方的で急激だとし、「憂慮している」との認識を示した。その上で、過度な変動や無秩序な動きについて「高い緊張感を持って見極めている」と改めて述べた。
片山財務相が為替について「憂慮」との表現を用いたのは初めてで、警戒の度合いを一段引き上げた格好となる。為替水準についての具体的なコメントは控えた一方、「為替はファンダメンタルズを反映して安定的に推移することが重要」とも述べた。
高市早苗首相が掲げる「責任ある積極財政」が市場でも意識されている。特に政府の経済対策の規模が昨年を上回ると伝わり、円安や金利上昇につながった。今後の市場の展開次第では、マーケットリスクを念頭に置きながらの政策運営を強いられる可能性がある。
片山財務相は、市場を常に注視しながら、円や国債の信認を維持していくと強調した。
円は対ドルで一時155円38銭と、2月以来の安値を更新。新発10年国債利回りは1.75%に上昇し、17年半ぶりの高水準を付けた。
一方、政府が近く取りまとめる経済対策について、片山財務相は「規模的には積み上がってきている」と言及。7-9月期の実質国内総生産(GDP)速報値が6四半期ぶりのマイナス成長となったことから、「経済対策を打つには十分な理由がある」と話した。
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