(ブルームバーグ):三井住友フィナンシャルグループ(FG)の株価が急伸。一時前週末比5.9%高の4586円まで上昇し、2006年4月以来約19年7カ月ぶりの高値を記録した。今期(2026年3月期)連結純利益予想の上方修正や株主還元策を受けた買いが先行した。
3メガ銀行グループは14日、金利上昇に伴う企業向け融資からの収益拡大や株高などを背景に、そろって今期純利益予想を上昇修正した。三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)と三井住友FGは3期連続、みずほFGは2期連続の最高益となる。
野村証券の高宮健アナリストはリポートで、三井住友FGについて、本業のもうけを示す業務純益の増益率は他社比でも高いとして、本業収益の好調をうかがわせる上方修正で「ポジティブな印象」と指摘。「今期に複数の成長投資を公表している中で株主還元を意識する経営姿勢は評価に値する」と分析した。
三井住友FGは純利益予想を1兆5000億円(従来予想1兆3000億円)に増額修正。業務純益予想も1兆8500億円から2兆500億円に上方修正した。1500億円(発行済み株式総数の1.3%)を上限とする自社株買いに加え、1株当たり年間配当金予想を従来の136円から157円に引き上げる増配を発表した。
みずほFGの株価も一時同3.5%高の5484円を付け、08年7月以来、約17年4カ月ぶりの高値となった。純利益予想を1兆1300億円(従来1兆200億円)としたほか、2000億円(同2.4%)の自社株買いを発表した。高宮アナリストは「全体的にバランスの良い公表内容」だとし、「市場部門の減益を好調な顧客部門増益で打ち返した」と評価した。
一方、MUFG株は小幅安で推移している。SMBC日興証券の佐藤雅彦シニアアナリストは「決算全体の印象はおおむねニュートラル」とリポートで指摘した。MUFGは今期の純利益予想を2兆1000億円(従来予想2兆円)に増額修正した。
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