スマホ使用に制限あり 進まぬ国会のデジタル化
井上キャスター:
ちょっと時代遅れでは…と思われる国会の文化は他にもあります。国会内で続く「紙文化」です。

衆議院、参議院によりますと、国会の資料はまだ「紙」が基本で、秘書官が官僚に差し出すときも紙です。
規定では、印刷配布が前提のものもあるので、規定も変えていくのかどうなのか。
他にも、いろいろとまだ変えられるところはありそうです。
例えば、請願文書、委員会報告書などのペーパーレス化で、年間1200万円が削減可能という試算もあります。
※去年3月 国会のデジタル化に向けた検討会より
実際、2023年の参議院予算委員会で、このような出来事もありました。
辻本清美 参議院議員(2023年当時)
「2019年3月19日の外務大臣は誰だった?」

河野 デジタル担当大臣(2023年当時)
「ちょっと確認します」
ざわざわと笑いも起きていましたが、河野デジタル担当大臣は背広の内ポケットからスマートフォンを取り出して、いじり始めます。後ろで見ているのが高市氏です。

高市 経済安保大臣(2023年当時)
「いいの?」
国会ではスマートフォンの使用は制限されています。
委員長
「今ちょっとスマホの利用は…」

河野 デジタル担当大臣(2023年当時)
「あ、ダメなんですね」
井上キャスター:
翌日、河野氏本人が陳謝する展開となりました。

スマートフォン使用に制限がありますが、衆参両院で違うようです。
▼衆議院では、本会議以外は持ち込み・使用はOKです。通話・通信はNG。
▼参議院では、全面的に原則NG。
本会議以外で持ち込みOKなのが、タブレット端末・PCで、外部との通信通話はNG。
先日もタブレット・PCは品がないということで、国会に持ち込めなかったというニュースが出ましたが、やはり衆・参で考え方が変わってくるところもあるのですね。

TBS報道局 政治部 新田晃一 記者:
そうですね。貴族院の流れを組んでいるところもあって、やはり参議院の方が品位を大切にするところはあるのだろうと思います。

井上キャスター:
速記の方も国会で見ると思います。
【速記者】
・議事録を一言一句間違えずに記録
・10分で交代
実は、独自の音声認識システムが導入されているそうですが、競わせると「速記者の方が早くて正確」ということもあるそうです。

速記者がどのように書き取りを行っているのかというと、国会のやり方があるそうです。例えば「=」符号は「日本」という意味で使われます。
速記は何々式、国会のやり方など、いろいろ違うそうで、国会では「=という符号を『日本』」として使っているそうです。
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〈プロフィール〉
新田晃一
TBS報道局政治部 野党キャップ
休日には議員の地元めぐりも
青木さやかさん
タレント・俳優
高校生の娘の母
ギャンブル依存・肺腺がん闘病の経験も