(ブルームバーグ):米バンク・オブ・アメリカ(BofA)のブライアン・モイニハン最高経営責任者(CEO)は22日、人工知能(AI)が米国経済に与える影響が拡大しつつあるとの認識を示した。
ブルームバーグテレビジョンのインタビューで「AI投資は年内を通じて積み上がっており、来年以降、寄与はさらに大きくなる」と指摘。「AIの効果が一段と顕在化している。全てがAIに起因するわけではないものの、限界的な影響は極めて強い」と述べた。
同行は2026年の米経済成長率を2.4%と予想し、25年の約2%から加速するとみる。モイニハン氏は労働市場について、軟化し始めているが、正常化に近い動きのようだと話した。

OpenAIなどのAI企業は、投資家の熱視線を背景に数カ月で数十億ドルの資金を呼び込んでいる。一方、米アマゾン・ドット・コムのジェフ・ベゾス会長は、現在のAI分野への投資ブームは「産業バブル」に似ているとし、投資損失を招く恐れがある一方で、社会をより良くする効果もあるとの見方を示している。
モイニハン氏によると、同行は、AI業界が過熱し調整を余儀なくされた場合でも、消費への影響や雇用喪失を含め、経済へのリスクは比較的限定的だと予想している。AI業界が一部の企業群で構成されていることが、その根拠だという。
一方、同行自身もAI活用を加速させる。18年に導入した対話型AI「エリカ」の回答能力は、当初の200問から700問へと大幅に向上した。モイニハン氏は「人がAIを使いこなす『拡張知能』を推進し、全事業の効率化を図る」と語った。
原題:BofA’s Moynihan Says AI’s Economic Benefit Is ‘Kicking In More’(抜粋)
--取材協力:David Westin.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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