(ブルームバーグ):任天堂は4日、今期(2026年3月期)の営業利益予想を3200億円から3700億円に上方修正した。市場予想(3996億円)を下回る。
今期(2026年3月期)の家庭用ゲーム機「スイッチ2」のハード販売計画を1500万台から1900万台に引き上げる。ソフトは4500万本から4800万本に引き上げる。

発表資料によると、7-9月期(第2四半期)はスイッチ2の販売が454万台と第1四半期に続いて好調だった。ブルームバーグが集計したアナリスト予想は382万台だった。スイッチ2の9月末までの累計販売台数は、約4カ月間で1000万台を超えた。
足元の業績好調を映して年間配当金の予想は、前期から1株当たり61円増やし181円とした。26年3月期から配当方針を引き上げ、営業利益の40%か純利益の60%のいずれか高い方とする。
スイッチ2の初動の勢いは落ち着いたが、10月にはポケモンの新作が投入され、カービィの新作も20日に発売を控えるなど、年末商戦に向けて人気タイトルを拡充中だ。市場の期待が会社計画を上回る中、自社制作以外のソフトも含めた販売動向が注目される。
東洋証券アナリストの安田秀樹氏は、上期だけで1000万台以上を販売したのは市場予想をはるかに上回る大きなサプライズだと指摘。クリスマス商戦を含む下期の販売が上期を下回ることはほぼないため、「次の決算発表の時に改めて上方修正する可能性が極めて高い」とした。
モーニングスターの伊藤和典ディレクターは、ソフトについても初代スイッチとの合算は想定以上に強く、利益に貢献したと評価。足元のスイッチ2のハード販売は買い換え需要がほとんどだが、今後順調に新しいファン層を獲得していけるかが普及に極めて重要だとした。
一方、初代スイッチの今期販売計画については、ハードを450万台から400万台に減らしたものの、ソフトは1億500万本から1億2500万本に引き上げた。
26年3月期末の前提為替レートは1ドル140円を据え置き、1ユーロ155円を160円に変更した。
(アナリストの分析を追加します)
もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
©2025 Bloomberg L.P.