(ブルームバーグ):ソフトウエア開発会社の米パランティア・テクノロジーズは通期売上高見通しを44億ドル(約6800億円)に引き上げたほか、7-9月(第3四半期)の売上高がアナリスト予想を上回った。しかし、割高なバリュエーションを巡る懸念から株価は時間外取引で下落した。
発表を受けパランティアの株価は時間外取引で一時7%上昇したが、その後3%安に転じた。年初来では150%余り上昇しており、11月3日の通常取引終値は207.18ドルと過去最高値となった。10月31日時点の株価売上高倍率(PSR)は85倍と、S&P500種株価指数構成銘柄の中で最も割高な水準だった。
DAデビッドソンのギル・ルリア氏はブルームバーグテレビジョンで「これらの数字は全てファンダメンタルズから完全に乖離(かいり)している」と指摘。通期売上高が40億ドル規模の企業で6割の増収率を達成しているのは類を見ず、「その結果、バリュエーションが前例のない水準に達している」と述べた。
ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)のシニアアナリスト、マンディープ・シン氏は、投資家は来年に関するガイダンスをより多く求めていた可能性が高いとの見方を示した。
3日の発表資料によると、7-9月の売上高は63%増の11億8000万ドル。アナリスト予想平均は10億9000万ドルだった。10-12月(第4四半期)の売上高は約13億3000万ドルとなる見込みで、アナリスト予想平均の11億9000万ドルを上回った。

ブルームバーグがまとめたデータによると、パランティアがアナリスト予想を上回る売上高を発表するのは21四半期連続となる。
一時項目を除く1株利益は21セントと、アナリスト予想平均の17セントを上回った。
パランティアは、AIブームの恩恵を大きく受けている上場企業の一つだ。同社は政府および企業にAIソフトウエアを販売しており、米国およびその同盟国にとって重要な供給者となっている。
商業部門の成長も著しく、特に米国内での伸びが顕著だ。米国内の商業顧客向け四半期売上高は前年同期比121%増の3億9700万ドルに達した。
米政府向け事業も52%増の4億8600万ドルだった。
原題:Palantir Shares Fall After Record Run-Up Despite Sales Surge (2)(抜粋)
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