(ブルームバーグ):ブラジルのボルソナロ前大統領は25日、2026年の大統領選に向けて自身の息子の1人を候補に支持することを確認する手書きの書簡を公表した。
ボルソナロ氏は22年の大統領選敗北後にクーデター実行を企てた罪で最高裁で有罪判決を受け、現在は収監されている。自らは出馬できないため、ルラ大統領に挑む役割を長男で上院議員のフラビオ・ボルソナロ氏に託した。

フラビオ氏は今月に入り、26年大統領選出馬で父親の支持を受けたと表明していた。だが、中道政党や投資家の間では、前大統領が考えを変え、市場寄りと受け止められているサンパウロ州のフレイタス知事を支持するのではないかとの期待もあった。
前大統領が署名した書簡では、「この不正の状況に直面し、民意が封じ込められることを許さない決意の下、私は26年の大統領選に向けフラビオ・ボルソナロ氏を予備候補に指名する決断を下す」としている。さらに「父の人生で最も大切なものを託す。それは自分の息子だ。ブラジルを救う使命のためだ」と論じた。
フラビオ氏は25日、前大統領が手術を受けた首都ブラジリアの病院の前で書簡を読み上げた。18年の大統領選期間中に受けた腹部の刺し傷の後遺症に悩まされ、今回はヘルニアの手術を受けた。ミシェル・ボルソナロ前大統領夫人はSNSへの投稿で、手術は約4時間で終了し、合併症はなかったと明らかにした。
前大統領は長男を指名する決断について、「熟慮の上での正当なものであり、私を信頼する人々の意思表示を守りたい思いに支えられている」と説明した。
フラビオ氏は、父親の決断を明らかにした今月初め以降、自身の出馬に抵抗感を示してきた人々を取り込むため、政治家や投資家との協議を強化している。同氏は書簡の公表で自身の選挙計画に変化はないとしつつも、前大統領の選択に疑念を抱いていた人々を納得させる可能性があると語った。
原題:Brazil’s Bolsonaro Releases Letter Backing Son for 2026 Race (1)(抜粋)
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