米国債相場は3月以来最長の上昇局面に歯止めがかかった。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が12月の追加利下げは既定路線に「程遠い」と発言したことが背景にある。市場では、今後の金融政策の行方を探るため、今週発表される民間経済指標に注目が集まっている。

米10年国債利回りは先週、約8ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し4.09%を付けた。4週連続で低下していた流れが途切れ、10月の利回り低下幅は6bpにとどまった。

FRBは先週開いた連邦公開市場委員会(FOMC)会合で、予想通り政策金利の引き下げを実施した。しかしパウエル議長は、来月の追加利下げについて「既定路線ではない」と述べ、金融緩和を織り込んでいた市場の見方を後退させた。

金利スワップ市場では、12月9、10両日開催の次回会合での利下げ確率は50%強に低下した。これまでは、9月の政策会合で示されたFOMC参加者の予測中央値と同じく年内3回目の利下げがほぼ確実視されていた。

米政府機関閉鎖の影響で公式統計が発表停止となっている中、パウエル議長発言で政策見通しは一段と不透明になった。

市場関係者は、米供給管理協会(ISM)の製造業・非製造業景況指数、米ADP雇用統計など、民間機関が今週発表するデータに頼らざるを得ない状況にある。

原題:Bond Traders Turn to Private Data After Powell Clouds Fed Path(抜粋)

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