米ウーバー・テクノロジーズは、電気自動車(EV)メーカーのルーシッド・グループと自動走行技術開発企業ニューロが共同開発した車両を使う無人配車サービスを来年サンフランシスコ・ベイエリアで初めて提供する準備を進めている。アルファベット傘下のウェイモの自動運転タクシーサービスと直接競合することになる。

ニューロの広報担当者によれば、同社の自動運転技術を備えたルーシッドのスポーツタイプ多目的車(SUV)「グラビティー」を手動運転で走行テスト中だ。ウーバーの発表資料によると、最初のテスト車両は9月に納入され、今後数カ月で100台余りに増える予定。

ウーバーの広報担当者によると、一般配車サービスに最終的に使用される車両は、現在テストで使われている車両とは別のものとなる。来年の正式な開始が近づいた段階で、より詳細な運用内容や利用者体験を公表する予定だとしている。

この動きは、サンフランシスコで無人タクシーを既に広く展開しているウェイモへの挑戦の一歩となる。ウーバーとウェイモは現在、オースティンやアトランタ、フェニックスで協力しており、当地ではウーバーアプリ経由でウェイモの配車サービスを提供しているが、サンフランシスコやロサンゼルスなどの主要都市ではウェイモが独自サービスを展開している。来年、ウェイモはマイアミやロンドン、首都ワシントンにもサービスを拡大する予定だ。

一方、ウーバーは過去1年間で10社余りの自動運転タクシー開発企業と提携し、自社のプラットフォーム上で自動運転車と人間ドライバーが共存する未来を見据えている。ルーシッドとニューロにも数億ドル規模の出資を行っている。

さらに、同社は28日、エヌビディアの技術を搭載した自動運転車10万台の導入を2027年から開始すると発表。その一環として、ルーシッドとニューロのロボタクシー2万台を購入し、サンフランシスコなどの市場でパートナーと共に6年間運用する。

ウーバーはサンフランシスコで後れを取り戻す必要がある。ウェイモは過去1年間で、同市からサウスベイ地域へサービスを拡大してきた。さらにサンフランシスコ空港とサンノゼ空港でのサービス提供許可も取得済みだ。これらの交通拠点は配車サービスにとって主要な顧客源となる。

原題:Uber to Take on Waymo in San Francisco With Lucid Robotaxis(抜粋)

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