米ソフトウエア大手オラクルのデフォルト(債務不履行)に備えるクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の購入が増えている。同社が人工知能(AI)関連投資に数十億ドルを投じる中で、信用リスクへの警戒感が高まっており、モルガン・スタンレーはこの動きが当面続くとみている。

ICEデータ・サービスによると、オラクル債の5年物CDSスプレッドは2023年10月以来の高水準近辺にある。モルガン・スタンレーはオラクルの実質純債務残高が2028会計年度までにおよそ2900億ドル(約44兆900億円)に膨らむと予想。現在の約1000億ドルのほぼ3倍に相当する。モルガン・スタンレーは投資家にオラクルの5年物CDSおよび5年債の購入を推奨した。

リンゼー・タイラー、デービッド・ハンバーガー両アナリストは「短期的な信用悪化と不透明感が、債券保有者や貸し手にさらなるヘッジ需要を促す可能性がある」と27日付のリポートで指摘した。

投資家がリスク回避の姿勢を強めている背景で、銀行団はオラクルのデータセンター建設資金として380億ドル規模の社債発行を準備している。この取引はAIインフラ関連では過去最大級となる見込みで、テキサス州とウィスコンシン州の施設整備に充てられる。このプロジェクトはオープンAIと共同で進める総額5000億ドル規模のAIインフラ構想「スターゲート」の一環だ。

オラクルは先月、社債市場で180億ドルを調達しており、これは今年の投資適格債市場で2番目の大型案件となった。

AI関連への期待が米株式市場を過去最高値圏へ押し上げている一方、その持続性を疑問視する見方も根強い。

原題:Oracle Default Swaps Jump on Concerns Over AI Spending Spree(抜粋)

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