(ブルームバーグ):東京証券取引所は27日、不適切会計問題に揺れるニデック株を特別注意銘柄に28日付で指定すると発表した。内部管理体制などについて改善の必要性が高いと認められるためとしている。
東証の発表資料によると、前期(2025年3月期)の有価証券報告書について、提出期限を約3カ月延長したにもかかわらず監査法人が「意見の表明をしない」旨が記載された監査報告書を添付して提出されている点を指摘。過年度決算訂正のおそれも含め、適正な決算内容を開示できていない状況だと述べた。
また問題発覚以降、調査の追加を繰り返しており、現時点でも第三者委員会の調査などの終了時期が不明で、決算スケジュールが正常な状態に回復するかの見通しを投資者に対して示せていないことなどを、指定の理由として挙げた。

特別注意銘柄に指定されると、1年後の審査で、内部管理体制が適切に整備・運用されていないと認められた場合、上場廃止となる可能性もある。
ニデックの広報担当者は第三者委員会の調査が早く終わるように全面的に協力するとした上で、会社としての改善計画を立てて取り組んでいくと述べた。
日経新聞は27日、ニデックが特別注意銘柄に指定されたことを受け、日経平均株価の構成銘柄から除外すると発表した。
岩井コスモ証券の斎藤和嘉シニアアナリストは、明日以降の株価の動きはネガティブになるだけでなく、機関投資家がポジションをもう一段絞る可能性があると指摘。ただハードディスクドライブ向けのスピンドルモーターなど需要が高い製品もあり、急にキャッシュが足りなくなるなど財務的な部分に影響を与えるような案件ではないとみていると述べた。
追加的な措置も
大和証券の坪井裕豪チーフストラテジストは、特別注意銘柄に指定されることは何かしら問題が起きているというふうに理解されるとした上で「上場廃止になる可能性も、 マーケットとしては織り込みに行く可能性はある」と指摘した。
一方、ブルームバーグ・インテリジェンスの若杉政寛アナリストらは上場廃止の可能性は低いとみているとした。当局の懸念を払しょくするためにも抜本的な内部会計の管理の見直しを実施する必要があるが、改善が進めば過去の類似のケースと同様に指定は解除されようとの見方を示した。
東証は、ニデックの情報開示に関する審査などを日本取引所自主規制法人が継続する方針を示し、新たな問題が判明した場合には、追加的な措置などを講じる場合があるともした。
ニデックは6月、イタリア子会社の会計処理問題をきっかけに、類似事例がないか社内調査に着手した。ニデック本体やグループ会社の経営陣の関与・認識のもとで不適切な会計処理が行われたことを疑わせる資料も見つかったとして第三者委員会を9月に設置し、調査を進める。
23日には調査が継続中であることを理由に今期の中間配当を無配とし、期末配当と通期業績予想についても取り下げ、未定とした。さらに今年5月に発表した1300万株(自己株式を除く発行済み株式総数の1.13%)、350億円を上限とする自社株買いについても中止することを決めていた。
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--取材協力:横山桃花.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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