米連邦準備制度理事会(FRB)が検討している銀行ストレステスト(健全性審査)の改定案では、大手行は次回テストの基準を事前に把握できるようになる見通しだ。

24日に公表された文書によると、FRBの案は信用損失や業務リスク、証券など特定のモデル設計を改善することを目的としている。また次回のストレステストで使用する予定の「厳しい逆境シナリオ」について、テストを実施する前に銀行からフィードバックを得る仕組みも導入する。

今回公表された文書には、2026年版のテストの基準が含まれた。最も厳しいシナリオでは、株式や不動産価格が急落し、米失業率が2桁に達するような世界的不況において、銀行がどの程度耐えられるかを評価する内容となっている。

ボウマンFRB副議長(銀行監督担当)はパブリックコメント(意見公募)期間を経て、26年の審査前に変更を導入したいとの意向を示している。FRBは24日ワシントンで開催する会合で、正式提案に進むかどうかを採決する予定だ。

ボウマン副議長は会合向けに準備した発言原稿で、「現在は、ストレステストのモデルやシナリオ設計の枠組み、具体的なシナリオは十分に開示されておらず、パブリックコメントの対象にもなっていない」と指摘。「こうした透明性の欠如は、銀行の資本計画における不確実性や資本要件と実際のリスクとの乖離(かいり)、ストレステストのプロセスに対する国民の理解や監視の不足につながりかねない」と述べた。

原題:Stress Tests Give Banks More Say on Criteria in Fed’s Proposal(抜粋)

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