(ブルームバーグ):米地銀ザイオンズ・バンコープが20日発表した7-9月(第3四半期)決算では、詐欺疑惑に関連し5000万ドル(約75億円)の貸倒償却を計上したものの、利益がアナリスト予想を上回った。信用市場にさらに深刻な問題が潜んでいる可能性を懸念していた投資家の不安を和らげる内容となった。
7-9月期純利益は2億2200万ドルで、市場予想をわずかに上回った。7-9月期の貸倒償却額は5600万ドルに上った。南カリフォルニアの商業不動産投資グループに絡む詐欺疑惑に関連した損失を反映している。
同行は先週、子会社のカリフォルニア・バンク・アンド・トラストが組成した商業用不動産ローン6000万ドルのうち、5000万ドルの貸倒償却を計上したと公表した。同日、同行は借り手グループであるロサンゼルスの不動産投資家ジェリー・マーシル氏とアンドリュー・ステューピン氏の投資ファンドを相手取り訴訟を起こした。
ハリス・シモンズ最高経営責任者(CEO)は決算説明会で、今回の貸倒償却は「孤立した事例」であり、同行は当該借り手に対してこれ以上のエクスポージャーはないと説明。同行は外部の第三者を起用し、融資ポートフォリオの追加調査を進めている。
今回の償却により貸倒引当金が取り崩された。貸倒引当金繰入額は前年同期の3倍超となる4900万ドルと、市場予想の2600万ドルを上回った。
主力の融資業務による純金利収入は6億7200万ドルと、市場予想を上回った。決算発表を受けた20日の時間外取引でザイオンズの株価は続伸し、米東部時間午後6時15分(日本時間21日午前7時15分)時点で約1%高。先週、同じ借り手に融資していたことを明らかにしたウエスタン・アライアンス・バンコープの株価も20日に上昇した。
原題:Zions Profit Beat Eases Credit Concerns From Alleged Fraud (2)(抜粋)
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