(ブルームバーグ):米半導体大手エヌビディアが出資する人工知能(AI)スタートアップのコヒアは、保有する自社株を外部投資家に売る「セカンダリー売却」の機会を従業員に設ける。同社は先月、約70億ドル(約1兆500億円)の評価額で資金を調達していた。
コヒアは20日、将来的な上場や買収を待たずに保有株を売ることができるセカンダリー売却に参加する選択肢を在職中の社員に提供すると発表。また、年換算の売上高が1億5000万ドルに達したことも明らかにした。最近の業績を基に年間売上高を見積もったもので、5月時点の1億ドルから拡大した。
2019年創業のコヒアは一般消費者ではなく、企業向けにカスタマイズ可能なAIソフトウエアの開発・販売に注力。機密データを保護する極めて安全なシステムを特徴として差別化を図るが、より潤沢な資金を持つ米OpenAIやアンソロピックなどとの競争が激しくなっている。これらの企業もAI開発に伴う莫大なコストを相殺するため、エンタープライズ市場をターゲットにしており、収益力を早期に実証しようとしている。
コヒアは8月、ラディカル・ベンチャーズとイノビア・キャピタルが主導する5億ドルの資金調達ラウンドを発表。既存投資家のエヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)のAMDベンチャーズも参加した。
その1カ月後には、2次クローズの一環として追加で1億ドルを確保し、同社の評価額は約70億ドルに達していた。
原題:Nvidia-Backed Cohere to Offer Secondary Sale of Employee Shares(抜粋)
もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
©2025 Bloomberg L.P.