チームみらい・安野党首が挙げる「議員定数削減」の懸念点

藤森キャスター:
今回交わされた連立の合意書の中に「議員定数の削減」がありますが、これを自民党と日本維新の会は「衆議院の定数を1割を目標に削減する」という内容を記しました。計算すると、現在の衆議院460議席から約50議席が減る計算になります。
小川キャスター:
「議員定数の削減」について、安野党首はSNSで三つの懸念点を挙げていますが、どういったところが具体的に心配ですか?
【安野党首が思う議員定数の削減に懸念点】
▼国会議員の新陳代謝がより悪化
▼日本は国会議員の数がそもそも少ない
▼定数削減のコストメリットは限定的

チームみらい 安野貴博 党首:
特に一番最初に挙げている「国会議員の新陳代謝がより悪化してしまうのではないか」といった懸念を強く持っています。
現時点で、私のような新人で未経験の人が政治家になることには相当なハードルがある中で、さらにハードルが上がってしまう。これはますます新陳代謝が悪化して、我々のようなスタートアップ政党がもう出てこれなくなるのではないかといった懸念を抱いております。
小川キャスター:
どういった形の議員定数削減になっても、こうした懸念は浮かび上がってくるんですか?
安野貴博 党首:
そういう意味で言うと、今まで日本維新の会は「比例を中心に」と話していましたが、20日の合意文書を読むと、その文字自体は取られていたなと思っています。
これは、比例を多く削減する方が、ある意味、死に票が増えるので、そういった少数の民意が反映されづらくなる。
例えば、若者や子育て世代など、全体から見るとボリュームが少ないようなセグメント層の人たちが当選しづらくなるわけです。そういった意味で、「比例から削られる」ということがより強いと思っています。

藤森キャスター:
2024年の衆議院選挙の結果をもとに、比例代表で50議席減らしたと仮定し、自公の連立解消の影響も加味したシミュレーションでは、自民党や立憲民主党への影響は2割ほどに留まりますが、少数政党ほどかなり大きな打撃を受けることがわかります。
比例選出議員の割合が高い公明党は半数ほどになってしまうということなんです。
安野貴博 党首:
得する政党と損する政党があると思っていて、小選挙区が強い政党というのは、もちろん数は絶対数は減るんですが、減った後の相対的なシェアはむしろ高まるんです。
実は、自民党も日本維新の会もシェアで言うと高まる可能性が高い党なので、「実を切る改革」と話していますが、「本当に自民党と日本維新の会は身を切っているのか」というのは冷静に見る必要があるかなと思います。
藤森キャスター:
実際に国会に飛び込んでみて、自分のアイデアや色々な声は届きやすくなったんですか?
安野貴博 党首:
それは間違いなくそうですね。色々な政治家や官僚と深くディスカッションできる機会がものすごいあるので、それは「少数政党であってもできることはたくさんあるな」というのは日々痛感しております。
藤森キャスター:
「議員定数の削減」のやり方によっては、このような方々の新しい風を吹き込むような流れや芽を摘んでしまう可能性もあるわけですよね。
星浩さん:
政治改革が始まったときから日本の選挙制度には、権力を集中させるための小選挙区と、民意反映のための比例の両方を大事にしようというのが日本的な知恵だったんです。片方の比例だけ減らすと、民意の反映というのはどんどん薄まっていきます。
なので、安野党首のようなアイデアマンのような人たちが、ますます国会に入りにくくなるということは間違いないと思いますね。